著者
田中 和彦
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.143, pp.99-109, 2021-03-31

本研究の目的は,依存・嗜癖といわれる「アディクション」分野におけるソーシャルワーク実践の礎となる理論について,先行研究のレビューから概観を明らかにすることである.アディクションをもつ人たちへのかかわりは難しいとされ,アディクションを専門で取り組んでいる人や機関に支援をゆだねる傾向が強い.そこでアディクションに特化したソーシャルワーク理論が存在しているのか,そもそもその理論の必要性があるのかについて,先行研究のレビューを行い考察した.その結果,アディクションにおけるソーシャルワークの理論ではエンパワーメントアプローチをベースにしており,そこにナラティヴアプローチ,リカバリー概念など親和性が高い理論が影響し合っている.また,当事者の主体性の尊重といったポストモダンの思想潮流と親和性が高いということが考えられた.さらに社会への働きかけの重要性を指摘しているが,一方でマクロレベルのソーシャルワークにおいての理論化と実践がまだなされていないことが課題としてあげられた.上記はアディクションに限らず他の精神保健分野の課題でも同様であると考えられ,アディクションに特化したソーシャルワーク理論があるということではなく,アディクションに対する忌避感情が支援の困難さを生み出しているのではないかという仮説を得ることができた.

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