著者
大貫 挙学
出版者
佛教大学総合研究所
雑誌
佛教大学総合研究所共同研究成果報告論文集 = Supplement to the bulletin of the Research Institute of Bukkyo University (ISSN:21896607)
巻号頁・発行日
no.8, pp.119-123, 2021-03

本稿では,大学への「アクティブ・ラーニング」の導入が推し進められる社会状況を,新自由主義における主体化という観点から考察する。文部科学省や中教審の言説において,アクティブ・ラーニングは「社会」に役立つ「能動的」な「主体」の育成を志向している。これに対し,次の 2 点を指摘できる。第 1 に,「主体」であるとは権力に服従することである。第 2 に,ここでの「社会」は新自由主義という時代状況を前提としたものにほかならない。だとすれば,アクティブ・ラーニングは新自由主義体制に適合的な主体を形成するものといえる。そのうえで本稿が強調したいのは,第 1 と第 2 の論点が不可分であるということだ。学問の価値を守るためには,かかる社会状況への批判的視座が不可欠である。主体化新自由主義アクティブ・ラーニング

言及状況

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[FD][教育][大学] 大貫挙学(2021)「アクティブ・ラーニングへの懐疑:学問の新自由主義化に抗するために(大学におけるアクティブ・ラーニングの影響に関する研究)」佛教大学総合研究所共同研究成果報告論文集 (8), 119-123.

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