- 著者
-
荒川 歩
木村 昌紀
- 出版者
- The Japanese Society for Cognitive Psychology
- 雑誌
- 認知心理学研究 (ISSN:13487264)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.1, pp.95-101, 2005
- 被引用文献数
-
1
認知スタイル (Verbalizer-Visualizer) とジェスチャー頻度の個人差の関係が分析された.大学生(35 ペア)が,事前に閲覧した映像を対面・非対面条件において互いに説明する実験に参加した.その後,彼らは,Verbalizer-Visualizer Questionnaire (VVQ)に回答した.実験参加者が説明している間のジェスチャーはビデオテープに録画され,表象的ジェスチャーとビートジェスチャーとがカウントされた.その結果,VVQ高得点者は,非対面条件に比べて,対面条件においてより多くの表象的ジェスチャーを行っていた.しかし,VVQ低得点者は,両条件において,表象的ジェスチャーの頻度に違いは認められなかった.認知スタイルや対面・非対面条件はビートジェスチャーには影響していなかった.このことから,表象的ジェスチャーの頻度に影響を与える個人内要因は,状況(対面・非対面)によって異なると考えられる.