著者
下村 登規夫 古和 久典 高橋 和郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.8-13, 1993
被引用文献数
3

頭痛は一般の外来診療で多く認められる訴えの一つである.しかし,日本においてはその実態はほとんど把握されていないが,日常診療において,頭痛の疫学的特徴を知っておくことは重要であると考えられる.片頭痛,緊張型頭痛は機能性頭痛の中でも頻度の高いものであり,片頭痛は若年から壮年にかけての女性に多く,緊張型頭痛は中年以後に多く認められる.群発頭痛は中年の男性に認められることが多い.片頭痛は40%以上に家族歴が認められているが,緊張型頭痛でも30%程度の家族歴があり,緊張型頭痛の発症に関してもある種の素因が関与している可能性が示唆される.

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