著者
正木 信夫 辰巳 格 笹沼 澄子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.186-194, 1990
被引用文献数
2

発語失行症患者の発語における, 調音器官と発声器官の協調運動について検討した.純粋な症例1例と健常対照群の, [ai] および [amV] (V=a, e, i) で始まる平板型・尾高型アクセントの単語発話を発話試料とした. [ai] で始まる単語については, アクセント指令と第2拍 [i] の調音指令を, それぞれ基本周波数とフォルマント周波数から, 日本語の単語アクセント生成および調音運動生成の機能的モデルに基づいて推定した.発語失行症患者では, 発話速度が遅い場合にアクセント指令の調音指令に対する遅れが健常者に比べ著しく大きかった.また, [amV] で始まる単語の発話では, アクセント指令の, [m] の唇閉鎖時点に対する遅れが健常者に比べて大きかった.従来, 発語失行症患者の発話における調音器官同士の協調運動に異常が起こることは報告されてきた.しかし, 本研究の結果では協調運動の異常は調音器官同士ばかりでなく, 調音器官と発声器官の間にも起こりうることが示された.

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CiNii 論文 -  発語失行症患者の単語アクセント生成における調音器官と発声器官の協調運動の異常 https://t.co/yiUbLdrj4a #CiNii

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