- 著者
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大岡 照二
児島 淳之介
清水 達夫
志水 洋二
高岡 愛明
門奈 丈之
山本 祐夫
- 出版者
- The Japanese Society of Gastroenterology
- 雑誌
- 日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
- 巻号頁・発行日
- vol.77, no.1, pp.54-62, 1980
慢性活動性肝炎に対して副腎皮質ステロイド(CS)が有効か否かを確定するため,臨床的• 機能検査的,また形態学的にも類似した症例を選び,26例にCSを投与し,37例を非投与として両群を対比検討した.これらの患者は著者らの共同研究下に2ヵ月から9年の経過中2回以上の腹腔鏡下肝生検を施行すると共に,月に1回の肝機能検査をし検討した.CSはPrednisoloneで30mgを初回1日投与量とし1週毎に10~5mgずつ減量し,毎日又は隔日5mgを維持量とした.CS群は肝機能上改善し(0.05>p>0.02),組織像では炎症反応を抑制し(p<0.01),線維化の進展を防止した(0.05>p>0.02).小量とはいえ長期連用による副作用が心配されたが,臨床的に副作用は少なく,また肝細胞内への脂肪浸潤の増加も軽度であつた.HBs抗原陰性例では,陽性例に比べその効果はやや良好であつた.