著者
小杉 考司 藤沢 隆史 水谷 聡秀 石盛 真徳
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.16-25, 2001
被引用文献数
1

本研究は, ダイナミック社会的インパクト理論の一連の研究における, 空間的収束という結果をうみだす要因を特定することを目的としている。そのため, ダイナミックインパクト理論で用いられている, シミュレーションモデルに含まれている変数の効果を検証するべく四つのモデルを作った。派閥サイズモデルや累積的影響モデルでは二種類の連続変数をもち, 影響力の強さに個人差が付与されていたが, 本研究のモデルAおよびBは一種類の強度変数しか持たせず, さらにモデルCは影響力の個人差をなくした。モデルDは距離を離散的に表した, 近傍という変数を持つモデルである。結果は, いずれのモデルにおいても空間的収束が見られるというものであり, 影響力の数や個人差, 人数という変数は空間的収束の必要条件ではないことが明らかにされた。このことから, 結果をバイナリ変数に変換する関数と局所的相互作用という特徴が, 空間的収束に必要な条件であると考えられた。また, ダイナミック社会的インパクト理論を展開する方向性が示唆され, この理論から得られるシミュレーションの結果の, 誤解や拡大解釈という問題点が指摘された。<BR>最後に, コンピュータシミュレーション一般における, モデル構築の容易さが引き起こす問題点と, 今後の展望が示された。

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コミュニティの成員の意見は空間的に隣接した多数派に引きずられて変化していきやがては収束する、ということを数理的に示した理論が「ダイナミック社会インパクト理論」である。例えばこれ http://t.co/MFMQJC5P もちろんこの数理モデルは最初の乱数の確率をどのくらいに(続)
コミュニティの成員の意見は空間的に隣接した多数派に引きずられて変化していきやがては収束する、ということを数理的に示した理論が「ダイナミック社会インパクト理論」である。例えばこれ http://t.co/MFMQJC5P もちろんこの数理モデルは最初の乱数の確率をどのくらいに(続)

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