著者
島津 和彦 清水 健 金戸 善之 坂本 滋 入山 正 岩波 洋 会田 博 伊藤 芳和 加藤 茂雄
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.1298-1301, 1985

体気中の0圧でわずかな隙間を有する閉鎖位をとる様固定されているMitroflow&reg;牛心膜弁の臨床的機能評価を行う目的で術中有効弁口面積計測, 術後心房ペーシング負荷心拍出量計測, および弁口造影を施行した。対象は4例, 6弁(大動脈弁位2, 僧帽弁位4)である。<br>有効弁口面積測定の結果, 21A弁2.28cm<sup>2</sup>, 23A弁277cm<sup>2</sup>, 27M弁3.12cm<sup>2</sup>, 29M弁でそれぞれ3.24, 3.52, 3.6cm<sup>2</sup>であった。この有効弁口面積測定結果は梅津(2)のIn Vitroのデーターと近似していた。<br>術後心房ペーシング負荷では毎分170心拍まで心拍出量の増加を認めた。<br>術後弁口造影では3弁尖の均等な開放, 閉鎖運動を認め, 開放中期では最大開放位までの弁尖の開放を認めた。<br>以上より本弁は3葉が均等に開閉し, 比較的大きい有効弁口面積を有し, 頻脈追従性が比較的良好な弁である事が結論された。

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