著者
戸谷 洋
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.39-47, 1968

ケニヤの首都Nairobiの北方に位置するAberdare山地の東および南東斜面の下半部には, Kikuyu族の小村落が異常な高密度で分布しており,周囲といちじるしい対照を示している.これら小村落の集中には,曽ての英国による植民政策も一役買っているが,自然条件を検討した結果,人口を支える主要な因子はこの場合,地形性降雨にあること,そして,その分布下限は年平均降水量1,000mm, 年800mm以上の降水信頼度が1955~62年についてきわめて高いこと,一方,その上限は年平均気温15°C (高度2,300m) であることが判明.同時に,両条件が齟齬することから,北東斜面や西崖下のKinangop台地に村落のないことも説明される.

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