著者
松本 正美
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.617-634, 1977

地図は地理学の生命であり,地図作成は地理学者が最も精魂を傾ける側面の1つである.地図は「地理学の言語」である.地理学者は1枚の白紙を地図という言語(記号系)に転化し,それを媒体として自己の主張を表現し伝達する.この転化過程は,次の2つの要件を満足しているはずである.第1に,その過程は無矛盾な記号系への転化過程でなければならない.さもなくば,地図は最も基本的な機能ですら果たすことができない.第2に,その過程は同時に地図が研究手段としての有効性を獲得していく過程でなければならない.さもなくば,地図は単なる表現・伝達の道具に終始する.しかし,この転化過程の真相,すなわち「地図を描く」ことの本質は,具体的作業の裏に隠蔽されている.もしその本質が解明できるならば,研究手段としての地図の能力は高まるであろう.本稿はその転化過程の掘り起こしを試みたものである.このような議論は,「カルトグラフィ」を超えた「メタカルトグラフィ」とみなされよう.

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