著者
遠藤 忠
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.712-724, 1990

1990年1月1日を期して,ジョセフソン効果に基づいた電圧標準に加えて,量子ホール効果に基づいた抵抗標準が,世界中で統一して用いられている.これにより,量子現象の持つ普遍性と恒常性という優れた特長に支えられて,世界的に全く統一のとれた電磁気量の実用標準体系が実現した.この結果は,両標準の技術的側面の研究もさることながら,むしろ,地道な努力を重ねて永年行われてきた種々の基礎物理定数の測定のこれまでの総決算により生まれたものといえる.本稿では,基礎物理定数との関わりを中心に,両標準の実現に至った背景について解説する.

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