著者
近宗 干城 金井 幸雄
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.236-241, 1978
被引用文献数
1

白色型と褐色型のウズラを交配し, それから分離した野生色型, 白色型, 暗色型, 褐色型, 暗白モザイク型および褐色モザイク型の遺伝について調査した。その結果, これらの羽色型は2対の常染色体性遺伝子の組合わせによって決定されることが示された。<br>すなわち, 有色羽の色は2つの対立遺伝子の組合わせをよるもので, 暗色羽は単一の遺伝子+<sup>D</sup>により, また野生色は+によって決定する。+<sup>D</sup>は+に対して不完全優性で, これらのヘテロ型 (++<sup>D</sup>) は両者の中間色である褐色となる。<br>他方, 有色羽と白色羽の分布は, これとは別個の2つの対立遺伝子の組合わせによって決定する。白色羽は単一遺伝子<i>i</i>による。これはメラニン色素の沈着を抑制する作用をもち, この遺伝子のホモ型である<i>ii</i>は, 頭頂部と背部に小さな有色の斑点があらわれる以外全身白色羽装となる。有色羽は<i>i</i>の対立遺伝子である<i>I</i>によるもので, この遺伝子のホモ型 (<i>II</i>) は全身有色となる。これらのヘテロ型(<i>Ii</i>) では, +<sup>D</sup>+<sup>D</sup>あるいは++<sup>D</sup>と共存する場合は白色とのモザイク型になるが, ++と共存する場合は, <i>Ii</i>は++に対して下位であるため野生型となる

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