著者
宮澤 啓輔 浅川 学 野口 玉雄
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.35-41_1, 1995

麻痺性貝毒により毒化したカキの食品としての有効利用を図るため, 毒性が30MU/9程度のむき身を原料として現行の加工処理による減毒試験を行った. 各処理段階の毒性と毒組成をマウス生物試験とHPLCにより測定した. 燻煙油漬け缶詰と水煮缶詰製品では, HPLCにより毒性成分の一部が検出されたが, 残存毒性はすべて2.5MU/g以下と規制値を越えることはなかった. オイスターソースでは原料 (解凍液と缶詰製造時の煮沸液, 2~4MU/g) の毒性の約90%が消失し, マウス生物試験法では不検出となった. 乾燥カキでは規制値以上の毒性 (7MU/g) があった. 缶詰とオイスターソース製造では加熱条件を十分に考慮すれば食品としての利用が可能であると考えられた.

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