- 著者
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天井 勝海
- 出版者
- The Geographic Education Society of Japan
- 雑誌
- 新地理 (ISSN:05598362)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.3, pp.21-30, 1967
(1) 東京大都市圏における人口変動の型の構成は, 明瞭な同心円的圏構造として捉えることができ, H型-C型-H型と展開されている。<br>(2) C型地域の拡大は, 東京 (23区), 東京周辺の都市の郊外化人口の結果である。<br>(3) C型地域の拡大は, もとH型地域をくみいれたものであり, その前線はまさに大都市地域化の進行しつつある地域として位置づけることができる。<br>(4) C型地域の拡大に伴い, 都心部においては人口の空洞化現象がみられ, H型地域の副都心方向への拡大傾向にある。<br>(5) H型からC型へ, C型からH型への変移地帯にA型, B型の分布が認められ, H型, またはC型への移行する前段階と考えられる。<br>(6) 人口流動から得た都市圏度の値は核心都市との結び付きを示す尺度として有効であるが, C型地域のほとんどは都市圏度500以上の地域であり, 東京 (23区) との関係を維持しながら人口の郊外化を起し, 大都市圏の拡大を行っていることを示すものである。<br>(7) このようにして捉えられた東京大都市圏は, 東海道線方向→東北, 高崎線方向に拡大化が進み, 現在では東武伊勢崎線, 常磐線方向への拡大が顕著である。<br>地形的には台地の都市化→沖積低地の都市化の傾向がみられる。