著者
井上 晋 新美 修
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR BACTERIOLOGY
雑誌
日本微生物學病理學雜誌 (ISSN:1883695X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.184-189, 1942

所謂沈降素量 (Präcipitingehalt) 及沈降素價 (Präcipitintiter) ノ兩方面ヨリ沈降素受働免疫ヲ觀察セリ.<BR>沈降素受働免疫ニ於テ<I>Uhlenhuth</I>氏法ハアル場合ニハ恰モ量的關係ヲ明うカニスルガ如キ觀ヲ呈シ, 又アル場合ニハ全然之ト無關係ナル結果ヲ呈シ不可解ナルハ既ニ述ベシ所ナルモ, 木村ハ緒方氏法ニ依ル免疫體稀釋法ヲ以テスル時ハ正確無比ニソノ量的關係ヲ明ラカニスルモノナリト云ヘリ.<BR>沈降素量ノ多寡ト沈降素血清ノ種屬特異性ハ抗元注射回數ニ至大ノ關係ヲ有スルモノニシテ, 抗元1回注射ニヨル沈降素血清ハ沈降素量少ナキモ特異性強ク, 抗元注射回數多キニ從ヒ沈降素量増加スルモ特異性ハ次第ニ失ハレルモノナルヲ以テ, 反復血清注射抗血清ハ特異性少ナク海〓血清トモ亦作用スルヲ以テ稀釋スルハ妥當ナラズトハ佐藤ノ唱フル所ナリ.<BR>沈降素量80, 沈降素價5120ノ沈降素血清3.0cc, 7.0cc, 12.0cc注入ノ各例ニ就テ見ルニ第1例血清3.0cc注入例ハ免疫直後ニ沈降素價320, 沈降素量2ヲ示シ第1, 第2日ハ血清原液ニノミ320陽性沈降素量ハ1トナリ, 第3日ニハ既ニ反應陰性トナレリ. 第2例, 、血清7.0cc注入例ハ免疫直後ハ沈降素量4沈降素價640ニシテ第1, 第2, 第3日ト同ジク沈降素量ハ2トナリ沈降素價ハ320ヲ持續シ第5日ニ沈降素量ハ1トナリ第6日ニハ陰性トナレリ.第3例第30, 血清12.0cc注入例ヲ見ルニ注入直後ハ沈降素量8沈降素價1280ヲ示シ, 第1日ニ沈降素量ハ4ニ減ジ沈降素價モ又610トナリ第2, 第3, 第4日ト同價ヲ持續シ, 第6日ニ及ビ沈降素量ハ2トナルモ沈降素價ハ同ジク640ヲ保持シ第10日迄ハ變化ナク, 第11, 第13日ト沈降素量ハ1トナルモ沈降素價ハ同ジク640ニシテ第14日ニ陰性トナレリ.<BR>以上沈降素價ハ免疫血清注入量ニ應ジテ最高320,640, 1280ヲ示シ, 沈沈素量ノ2, 4, 8ニ似テ甚ダ合理的ニ見ユルモソノ消失スルヤ320或ヒハ640ヨリ急速ニ陰性トナルハ不可解ナル點ニシテ沈降素量トハ全ク經過ヲ異ニセル所ナリ.

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