著者
常木 和日子
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.27-38, 1986

オステォグロッスム類を中心に, 各種真骨魚類の間脳脳室周囲器官を組織学的に調べた.オステオグロッスム類 (ピラルク, ナイフフイッシュ, ジムナルクス) の神経性下垂体は, 正中隆起と神経葉とに分化しており, 全骨魚類と高等真骨魚類の中間型を示す。血管嚢はバタフライフィッシュやジムナルクスでは欠如するが, ナイフフィッシュではよく発達している.ジムナルクスには松果体も存在しない.副生体はバタ州ライフィッシュを除くオステオグロッスム類や, 数種のスズキ目魚類に存在する.ハゼ科やフグ科等の高等真骨魚類では, 背嚢や横帆を欠く代りに, 間脳脈絡叢が発達している.真骨魚類における脳室周囲器官の存否やその分化程度には, かなり系統類縁性が反映されているように思われる.

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