著者
小川 久惠 奥嶋 佐知子 児玉 ひろみ
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.36-42, 2001
被引用文献数
1

肥満予防や食事制限を余儀なくされている人たちでも利用できるように, 身体に蓄積されにくいジアシルグリセロールを主成分とするクッキングオイル (市販健康エコナクッキングオイル, DAG-O) を菓子に応用した時の調理性について検討した. 試料調製には上記の油と同一原料から調製したトリアシルグリセロールを主成分とする油 (TAG-O) を用い, シフォンケーキ, フィナンシェ, シュー, クッキー, ドーナツの5種の菓子を調製し, 官能評価を中心に物性面からはクリープメーターによるテクスチャー解析およびバッターの比重の測定, 焼成前後のシフォンケーキの高さの測定などを行って両油を比較検討し以下の知見を得た.<BR>1. 官能評価法による評価の結果, シフォンケーキを除く他の4種の菓子についてはDAG-O試料およびTAG-O試料間に有意差はみられなかった.<BR>2. シフォンケーキの官能評価の結果は, DAG-O試料はTAG-O試料にくらべきめ粗く均一でない, ふっくら感で劣るなどの理由から総合的な評価において有意に低く評価された.<BR>3. DAG-Oを用いたシフォンケーキに小麦粉重量の3%のB.P. を添加すると, 炭酸ガスが気泡を押し上げることから, 総合的な評価を有意に高めることができた.<BR>4. シフォンケーキ調製時のバッターの比重を測定したところ, DAG-OはTAG-Oに比べて約0.04大きく, またクリープメーターによるかたさの測定値においてもDAG-OはTAG-Oにくらべて高値を示し, いずれも官能評価の結果を裏付けていた.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 2 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? ジアシルグリセロールを主成分としたクッキングオイルを菓子に用いた場合の調理性の検討(小川 久惠ほか),2001 https://t.co/gkVpHChtiN
こんな論文どうですか? ジアシルグリセロールを主成分としたクッキングオイルを菓子に用いた場合の調理性の検討(小川 久惠ほか),2001 https://t.co/Ve4m8E7zT6

収集済み URL リスト