著者
松田 秀人 橋本 和佳 関 哲哉 吉田 真琴 増田 拓也 加藤 大輔 伊藤 裕 栗崎 吉博 斉藤 滋 高田 和夫 長嶋 正實 滝口 俊男
出版者
Japanese Society for Mastication Science and Health Promotion
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.141-145, 2002

チューインガムの機能には, 咀嚼能力の向上, 脳血流の亢進, 中枢神経系への作用, 唾液の分泌亢進など咀嚼による直接作用が認められている. 食欲の調節機構としては, 満腹中枢および摂食中枢が食行動調節を司っている. 咀嚼が中枢に及ぼす影響についての研究は少なく, 臨床研究は特に少ない. 摂食抑制物質のうちヒスタミンの分泌は, 咀嚼すなわち噛む刺激によることが, 遺伝性肥満動物Zuckerラット実験により判明した. このような背景から, 食事前にチューインガムを噛むことにより, 咀嚼がインスリン分泌に及ぼす影響について検討した.<BR>19歳から25歳までの健康な女子19名を対象に, ガムベースの15分間咀嚼の後, 75gブドウ糖負荷試験を行い, ガム咀嚼の前, 咀嚼後3分, 6分, 9分, 15分と, それに引き続いて75gブドウ糖負荷後の15分, 30分, 60分, 120分後の計9回, 肘静脈より採血して, 血糖, インスリンを測定した. さらに, ガムを咀嚼しない場合で同様の測定を行った.<BR>その結果, コントロールに比べてガムベースを咀嚼した時のほうが, 75gブドウ糖負荷後の30分値において, インスリン分泌量が多かった. このことから, 咀嚼による中枢への関与が示唆された.

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CiNii 論文 -  咀嚼のインスリン分泌に及ぼす影響 (第1報) https://t.co/3Kj4WVVbrz

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