- 著者
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原 哲也
稲冨 千亜紀
小出 史子
前川 拓治
趙 成三
澄川 耕二
- 出版者
- THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.3, pp.316-320, 2009
エホバの証人に対する帝王切開術の麻酔を, 動脈圧心拍出量 (APCO) から算出した酸素供給量を指標として管理した. 患者は40歳代の女性. 身長150cm, 体重56kg. 子宮筋腫合併高齢出産であったが, 宗教的信条から輸血を拒否したため, 帝王切開術が予定された. 麻酔は0.5%高比重ブピバカインによる脊髄くも膜下麻酔で行い第4胸髄レベル以下の知覚低下を得た. 術後鎮痛は0.2%ロピバカインによる持続硬膜外麻酔で行った. 同種血および自己血輸血は行わず, 貧血による酸素供給量の減少に対して, 輸液および昇圧薬で心拍出量を増加させ代償した. APCOの測定は低侵襲であり, 酸素供給量を指標とした麻酔管理に有用であった.