- 著者
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松村 暢彦
- 出版者
- The City Planning Institute of Japan
- 雑誌
- 都市計画論文集 (ISSN:09160647)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.3, pp.373-378, 2012
本研究では、地域活動を通して形成される地域住民間のネットワークの現状と、活動への参加が個人に与える影響を明らかにするため、戦後に開発されたオールドニュータウンである兵庫県川西市大和地区の住民を対象にアンケート調査を行った。その結果、地域活動への参加頻度とパーソナル・ネットワークの拡大には正の相関関係があり、地域でのネットワーク形成を促進していくためには、活動への積極性を高めていくことが必要であることがわかった。しかしそれと同時に、地域住民が地域と関わりを持つまでの間には、「人付き合いの敬遠」や「他者への無関心」といった困難な課題が存在することも明らかとなった。また、参加する地域活動の違いが個人の「地域に対する態度」と「生活満足度」にどのように影響を及ぼしているかを検証するため、共分散構造分析を用いてモデルを作成した結果、参加する活動領域やその組み合わせの差異によって、個人の生活満足に影響を与えるまでのプロセスに様々な差異が見られることがわかった。