- 著者
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菊地 史倫
佐藤 拓
阿部 恒之
仁平 義明
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2007, pp.103, 2007
本研究では自分が引き起こした不都合な状態を処理するために出来事の起こりやすさ(生起確率)を操作してウソをつくときの2つのウソの目的(信じられること、赦されること)の関係性について検討した。183人の大学生は知人が約束の時間に遅れ、遅刻理由を話すというシナリオを読んだ。参加者は遅刻理由を本当だと思うか、待たされたことをその遅刻理由で赦せるかなどを判断した。その結果、A.出来事の生起確率を高く操作したウソは、信じられやすいがそのウソが信じられた後で赦されにくい。B.出来事の生起確率を低く操作したウソは、信じられにくいがそのウソが信じられた後で赦されやすいとウソをつかれる人が考えていた。これらの結果から出来事の生起確率を操作してウソをつくときには、2つのウソの目的が両立しないことが示唆された。また感情とウソの目的の関係性を検討したところ、感情によって行動の調整が行われている可能性が示唆された。