著者
柴田 寛 行場 次朗
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.39-39, 2007

本研究では二者間で行われる協同動作の適切さを評定しているときの事象関連電位を調べた。二枚一組の写真が刺激として使用され、一枚目の写真では一方の人間が物体を手渡し、二枚目の写真ではもう一方がその物体を受け取った。実験参加者は、写真の組み合わせが適切か不適切かの判断を受け取り動作に対して行った。二つの時間枠において不適切な動作の観察が適切な動作の観察よりも大きな陰性電位を生じさせた。第一の陰性電位(300-500 ms)は頭頂付近で最大であったが、第二の陰性電位(700-900 ms)は前頭付近で最大であった。N400は意味的プライミング、N700は心的イメージを反映して引き起こされる傾向が知られている。そのため、第一の陰性電位は手渡し動作の観察が適切な受け取り動作をプライミングさせた処理を反映したのかもしれない。第二の陰性電位は不適切な受け取り動作を心的に修正させた処理を反映したのかもしれない。

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