著者
山崎 浩史 藤枝 正輝 冨樫 正浩 Ujjin Pailin 中山 佳都夫 斎藤 鉄也 鎌滝 哲也
出版者
日本薬物動態学会
雑誌
日本薬物動態学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.23, 2003

【目的】トリメチルアミン(TMA)は,肝によって臭いの少ないTMA N-oxide(TMAO)に大部分が変換され,主に尿に排泄される.この肝の変換酵素であるフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO3)の遺伝的多型に伴う機能低下によって,未変化体TMAが尿,汗および呼気などに排泄され,不快な体臭を引き起こす.魚臭症候群(TMA尿症)に関しての欧米での広範な研究に対し,アジアでのTMA尿症の報告例はほとんどない.そこで,本疾患に対する科学的対処方法を確立することを目的とし,タイ人と日本人における尿中のTMA排泄を測定し, 食品成分のTMA排泄に及ぼす影響やFMO3の遺伝子多型を調べた.【方法】タイ人男性1名は,呼気の臭気の判定から医師によって,TMA尿症と診断された.日本人は,自己申告によって, TMA尿症が疑われる被験者と健常対照群を用いた.GC-FIDを用いて尿中の総TMAとTMAを測定し,TMA代謝効率をTMAO/(TMA+TMAO)とした.【結果および考察】タイ人6名および日本人健常人20名のTMAの代謝効率は95%以上であった.一方,魚臭症候群と診断されたタイ人の尿中TMA代謝効率は91%であった.尿での代謝効率が70-90%を示し,魚臭症候群が疑われる日本人7人を見出した.血液検査の結果,乳酸脱水素酵素値と尿中TMA代謝効率とに逆相関が認められた.経口摂取した活性炭や銅クロロフィリンがTMA代謝効率を改善させることも見出した.タイ人魚臭症候群患者は,FMO3のTMA N-酸化反応のVmax/Kmを低下させる新規遺伝子変異(G265A)のヘテロ接合体であった.日本人から新規C613T変異遺伝子を検出した.以上の結果から,青年期から発症する魚臭症候群は,肝機能障害,食事およびFMO3新規遺伝子多型の影響など,複合した原因による可能性が示唆された.

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@Su__0515 一応、論文の抄録を探してみました URL:https://t.co/161YfU3pxG これによると、日本人の健常者の変換効率は95%、 病気の人は70~90%となっており、 逆説的に言うと、健常者でも魚を摂取していると魚のにおい成分の残り5%は尿もしくは汗として排出されることになります。 ごく微量ですが…

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