著者
松尾 善美 Cahalin Lawrence Collins Sean 松谷 綾子 Caro Francis
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.G1129, 2007

【はじめに】理学療法(以下PT)の教育および専門職としての現状(以下PTEPI)に関する情報は、世界のあらゆる地域においても未だ少ない。PTEPIについて理解を深めることは、全世界のPT実践、教育・研究分野を刺激することになる。さらに、国際的な協力事業、世界的なPT実践、研究に関する指針の開発やわが国の今後のPTを考える際に有用であると考えられる。<BR>【目的】本国際共同研究の目的は、世界40カ国のPTEPIについての調査し、世界におけるPTの教育および専門職としての今後の展望を得ることである。<BR>【対象】対象は、世界理学療法連盟から情報の得られた40カ国のPT協会の連絡先代表者である。<BR>【方法】我々は、PT教育課程の認可制度、PTの資格取得制度、PT専門分野の認可制度、理学療法士の所得関連事項の4カテゴリー、全部で22項目からなる調査表を英語で作成し、5カ国語(日本語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、韓国語)に翻訳した。次に、40カ国の連絡先代表者に依頼文書と調査用紙を同時に電子メールで送付した。同意を得られた回答について記述的統計を行った。本研究は、財団法人ファイザーヘルスリサーチ振興財団の助成を受けて実施した。<BR>【結果】回答率は38%であった。回答の大多数は北欧およびヨーロッパ諸国であり、中央アメリカおよび南アメリカからは2カ国のみから回答を得た。PTEPIは、1カ国を除いて資格認定制度と理学療法士教育の認可課程を有しており、5カ国を除いてスポーツPTと老年PTが最も普及しており(80%)、専門職認定課程を有していたという点については共通点が見られたが、それ以外の多くの項目において各国間で明らかな相違点があった。養成校の認可再認可の頻度は、1回のみ(20%)、1年毎(20%)、5年毎(13%)、6年毎(27%)と広範囲の回答であった。理学療法士の資格取得に、53%の国では筆記試験、40%の国では実技試験、27%の国では口答試験を必要としていた。13カ国のPT平均年収は32,203±20,030USドルであった。<BR>【結論】PTEPIは、認可課程や資格取得、専門分野の確立について共通点が多かったが、それ以外については各国間で大きな相違点が確認できた。<BR><BR>

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