著者
窪江 優美 関岡 東生 宮林 茂幸
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

 都道府県において産出される木材を地域毎に定められた制度によって認証する取り組みが盛んになりつつある。こうした認証制度は、産地・品質・合法性・安全性を一定水準で保証し、県産材という付加価値を有するブランド材とすることを目的とするものが多い。こうしたことから都道府県および認証団体を対象として県産材認証制度の現状と意識に関する調査を行った。その結果、認証制度の有無と活用・PR方法・県産材の今後についての現状が明らかになり、各都道府県とも制度の普及は一定の成果を挙げているという結果が得られた。県産材利用の取り組みは県内を中心に行われ、県外への拡大は活発ではない傾向にある。将来的に国産材の利用拡大や普及を考えた場合、県外への普及を促進しなければ、都道府県内での木材需給体制には限界が生じてくる。また、県産材や地域材は用語としても極めて多様に定義されおり、県境を越えた展開を阻むものとなっている現状も明らかとなった。以上のことから、県産材および地域材の定義を明確にしていくことともに、県産材・地域材認証の連携を考慮した流通のあり方を検討することが課題である。

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