著者
飯島 勇人 長池 卓男
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

近年、ニホンジカが個体数を増加させている。それに伴い、ニホンジカによる植生の摂食圧が高まり、植栽木にも深刻な被害が出ている。効率的にニホンジカによる摂食を防止するためには、ニホンジカによる摂食リスクを定量的に評価し、優先度を付けた対策を実施する必要がある。本研究では、広葉樹植栽地を対象とし、ニホンジカ密度、防除方法(防鹿柵とそれ以外)、植栽後経過年数が植栽木の生残に与える影響について検討した。山梨県内の過去6年以内に植栽された広葉樹造林地を対象に、各調査地で100個体の植栽木の生残、樹高を調査した。また、山梨県内で収集されているニホンジカ密度指標に一般化状態空間モデルを適用し、植栽地周辺のニホンジカ密度を推定した。植栽木の生残は、推定したニホンジカ密度が高く、防鹿柵以外の防除方法であり、植栽後年数が経過しているほど低かった。防鹿柵以外の防除方法で平均的な植栽年が経過している場合、ニホンジカ密度が11.2頭/km2での植栽木の生残率は50%と推定され、21.7頭/km2での植栽木の生残率は10%と推定された。今後は、周辺環境や植栽樹種が植栽木の生残に与える影響を明らかにする必要がある。

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CiNii 論文 -  広葉樹幼齢造林地における植栽木の生残にニホンジカが与える影響 https://t.co/PF1fMqsOx3

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