- 著者
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大角 恒雄
福島 康宏
- 出版者
- Japan Society of Civil Engineers
- 雑誌
- 土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
- 巻号頁・発行日
- vol.71, no.4, pp.I_69-I_78, 2015
西アジアに甚大な地震・津波被害を及ぼしたAD 365年クレタ(Crete)沖地震は,<i>M</i>8.5クラスであったことが言われている.この地震による津波はギリシャ沿岸のみならず,古代都市であるアレキサンドリア(Alexandria),シリア地域に大きな被害を及ぼしたことが伝えられている.AD 365年の地震は,東部地中海地域の代表的地震であるが,Pirazzoli(1986)は東地中海周辺の海岸線の隆起地形に着目し,AD 350-550年が過去2000年に遡ってこの地域で最も顕著な地震の活動期の一つであったことを記述している.当時の痕跡である現地の地盤隆起は今でもクレタ島には存在し,その特徴と数多くの研究者のAD365年クレタ沖地震のパラメータを検証し,統計的グリーン関数法を用いて当時の地震動を推定した.