著者
鹿島 啓佑 福島 康宏
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.726-731, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
18

本研究の目的は,相対アーチファクトインデックス(relative artifact index: AIr)を用いて,血管撮影装置のcone beam CTにおける金属アーチファクト低減処理(metal artifact reduction: MAR)の効果と,管電圧による違いを評価することである.まず,水ファントムを撮影しノイズ画像を取得した.次に,水ファントム内の中央部にプラチナ合金製の塞栓用コイルを設置した場合と,中央部と辺縁部に塞栓用コイルを設置した場合で,アーチファクト画像を取得した.管電圧は70, 109 kVとし,MARの有無で合わせて4種類のアーチファクト画像を取得して,それぞれから同じz方向10枚の画像を取得した.画像に関心領域を設定しAIrを求め,撮影条件間で多重比較を行った(有意水準p<0.05).AIrはMARを使用することで有意に低値となり,管電圧にかかわらず金属アーチファクトを有意に低減させることができた.Cone beam CTのMARは金属アーチファクトを91%以上低減でき,MARを使用した場合,管電圧による違いはなかったことが明らかになった.
著者
大角 恒雄 福島 康宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_69-I_78, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
26

西アジアに甚大な地震・津波被害を及ぼしたAD 365年クレタ(Crete)沖地震は,M8.5クラスであったことが言われている.この地震による津波はギリシャ沿岸のみならず,古代都市であるアレキサンドリア(Alexandria),シリア地域に大きな被害を及ぼしたことが伝えられている.AD 365年の地震は,東部地中海地域の代表的地震であるが,Pirazzoli(1986)は東地中海周辺の海岸線の隆起地形に着目し,AD 350-550年が過去2000年に遡ってこの地域で最も顕著な地震の活動期の一つであったことを記述している.当時の痕跡である現地の地盤隆起は今でもクレタ島には存在し,その特徴と数多くの研究者のAD365年クレタ沖地震のパラメータを検証し,統計的グリーン関数法を用いて当時の地震動を推定した.
著者
大角 恒雄 福島 康宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_69-I_78, 2015

西アジアに甚大な地震・津波被害を及ぼしたAD 365年クレタ(Crete)沖地震は,<i>M</i>8.5クラスであったことが言われている.この地震による津波はギリシャ沿岸のみならず,古代都市であるアレキサンドリア(Alexandria),シリア地域に大きな被害を及ぼしたことが伝えられている.AD 365年の地震は,東部地中海地域の代表的地震であるが,Pirazzoli(1986)は東地中海周辺の海岸線の隆起地形に着目し,AD 350-550年が過去2000年に遡ってこの地域で最も顕著な地震の活動期の一つであったことを記述している.当時の痕跡である現地の地盤隆起は今でもクレタ島には存在し,その特徴と数多くの研究者のAD365年クレタ沖地震のパラメータを検証し,統計的グリーン関数法を用いて当時の地震動を推定した.