著者
中島 淳 本多 靖 結束 貴臣 小川 祐二 今城 健人
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.11, pp.1966-1972, 2015

腸内細菌はNASH病態の1st-hitである単純性脂肪肝において,リポ蛋白リパーゼの活性化などを介して肝臓や脂肪組織に脂肪蓄積を増加させ,脂肪肝の形成に重要な役割を果たす.また,NASH病態の2nd-hitである肝炎の病態形成では腸内細菌は,1)腸内細菌の質的量的異常,2)腸管透過性亢進,3)肝臓におけるエンドトキシン応答性亢進,の3つの機序で重要な役割を果たすと考えられている.治療においては種々のプロバイオティクス,プレバイオティクスの投与が有効であることが臨床試験で示されている.今後はNASH病態に強く関与する腸内細菌の同定と治療への応用が求められている.

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