著者
外山 美樹 樋口 健 宮本 幸子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-11, 2014

高校受験が終わった半年後に,高校1年生とその母親3,085組を対象に,高校受験に関する振り返り調査をインターネット上で実施し,高校受験期における悩みやストレス,高校受験を振り返っての認知(高校受験の経験がどのような意味をもつのか)についての実態を把握することを目的とした。また,こうした高校受験期における悩みやストレス,高校受験を振り返っての認知において,母親からのソーシャル・サポートがどのように影響を及ぼすのかを検討した。本研究の結果から,進学率が100%に近い高校への受験においても,子どもは様々な悩みやストレスを抱いていることが示された。また,多くの者が受験を通して自己への成長感を獲得するとともに,学業への充実感を感じており,高校受験をプラスの経験と捉えていることが明らかになった。母親からのソーシャル・サポートにおいては,高校受験の悩みやストレスを促進するソーシャル・サポートのネガティブな影響が見られた一方で,母親からのソーシャル・サポートが高い者は,受験を通して自己の成長感や学業の充実感をより強く感じているといったソーシャル・サポートのポジティブな影響も見られることが示された。

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