著者
八代田 千鶴 森元 萌弥 中須 真史 岡本 宏之 鈴木 正嗣
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

森林におけるシカによる被害防止のためには、捕獲による個体数管理も重要である。そこで本研究では、植栽地での捕獲実施によるシカの出没状況への影響を検討した。三重県多気郡大台町内のパッチディフェンスを設置した広葉樹植栽地(3.2ha)において調査を実施した。2012年度(以下、12年)および2013年度(以下、13年)の2年間実施し、両年とも調査期間は11月~4月とした。植栽地内に設置した自動撮影カメラを用いてシカの出没状況を記録し、12月および2月に2週間ずつ給餌を行った。捕獲は12年のみ実施し、給餌期間中に誘引狙撃法により3回実施した。また、植栽地内および周辺の林内に固定コドラートを設置し、1カ月あたりの平均糞粒数(個/m<sup>2</sup>)を測定した。シカの出没頻度は、給餌期間中に増加したことから、給餌によりシカの出没を誘導できることが確認できた。12年の捕獲では、合計8頭のシカを捕獲した。実施前の平均糞粒数は、林内では0.5個以下であったが、植栽地内では約7.5個と多かった。実施後における植栽地内の平均糞粒数は実施前の半分に減少し13年も同水準であったことから、捕獲により植栽地内へのシカの出没頻度を減少させる一定の効果があると考えられた。

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