- 著者
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植木 章三
冨山 浩三
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.67, pp.19_1, 2016
<p> 平成24(2012)年に「スポーツ基本計画」が策定され、「スポーツを通じてすべての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会」をめざして「年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができるスポーツ環境を整備」することが掲げられた。また、平成23(2011)年には、日本体育協会と日本オリンピック委員会より「スポーツ宣言日本~二十一世紀におけるスポーツの使命~」が発表され、スポーツの二十一世紀的価値とは、「素朴な運動の喜びを公正に分かち合い感動を共有することであり、身体的諸能力を洗練することであり、自らの尊厳を相手の尊重に委ねる相互尊敬である」としている。それにより、われわれが中長期的に取り組むべき課題が示されることになったが、そのひとつはオリンピック・パラリンピックムーブメントの融合(インクルージョン)であろう。</p><p> そこで本シンポジウムでは、この「融合(インクルージョン)」を進めていくための課題について、クーベルタン卿や嘉納治五郎先生、グッドマン博士の思想を取り上げて議論するために3名の先生にご登壇いただく。真田久先生には、嘉納先生の視点から多様性を認め合う重要性について、小倉和夫先生には、パラリンピックの理念の変遷と今後の課題について、そして藤田紀昭先生には、オリンピック・ムーブメントとパラリンピック・ムーブメント融合の可能性と課題についてそれぞれお話いただき、オリンピック・パラリンピックムーブメントの融合(インクルージョン)の意義と方向性を示すことを目的とした。</p>