- 著者
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野中 由紀
安藤 真太郎
鳥屋 智大
山田 幸雄
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.67, pp.275_2, 2016
<p> 卓球競技においてカット主戦型は、攻撃型に比べて数が少ないが、女子では世界トップ50位以内(2016年5月国際卓球連盟発表)に12名がランクインするなど、近年徐々に増加傾向にある。国際大会上位進出には、カット主戦型攻略は必須の課題である。2016年世界卓球選手権大会(団体)では、ある世界ランク20位以内の攻撃型選手が、同ランク30位台、80位台のカット主戦型延べ3名と対戦し、1戦目勝利、2戦目敗北、3戦目勝利の結果であった。このように1大会において、幾度も、また同じ選手と対戦することが実際に発生するため、短期間での戦術変化が必要である。しかし、この点に着目した研究はあまり見られない。そこで本研究は、ある攻撃型選手が1大会中にカット主戦型と対戦した試合を抽出、野中ら(2016)の方法を用いて1試合ごとに分析・比較し、各試合の特徴、及び戦術変化を明らかにすることを目的とした。その結果、平均ラリー打球回数、使用技術、最終打となった技術で差は見られなかったが、使用するコースにおいて有意差が見られる結果となった。このことから、勝敗の要因や1大会中にすぐに実践できる戦術変化として、コースの選択が重要であることが明らかになった。</p>