著者
後藤 昌弘 山根 千弘 橋本 和弘 岩田 惠美子 畑 欣宏 吉川 政敏 浅見 孝志
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>新たに開発されたセルロース複合麺を用いて,麺の性状や調理法が食味評価におよぼす影響と既存の低カロリー麺類とのちがいを官能検査や物性測定によって比較し,セルロース複合麺の特性や改善点を明らかにすることを目的とした。<br><b>方法 </b>配合割合が異なるセルロース複合麺(軟性麺,標準麺,硬性麺)を用い,かたさ,歯切れ,麺の食感,のどごし,総合評価の項目について官能検査(順位法,評点法)を行った。同時に破断強度をレオロメーター(山電RE2-3305B)により測定した。また,市販の糸こんにゃくやコンニャク粉,グルコマンナン,アルギン酸等を原料とする低カロリー麺類と同様の比較をした。<br><b>結果</b> 調理前の破断荷重は硬性麺が標準麺や軟性麺よりも大きかった。糸こんにゃくは標準麺と有意差がなかった。複合麺をゆでて調味したものを用いた官能検査では,総合評価やのどごしの項目で硬性麺よりも軟性麺,標準麺が好まれた。官能検査の評価の高かった標準麺と市販のコンニャク粉やアルギン酸を原料とする麺,糸コンニャクと比較すると硬さ,歯切れ,食感,のどごしの項目で市販品が好まれた。アルギン酸を原料とする麺との比較では,かたさ,麺の食感,のどごし,総合評価でセルロース麺が好まれた。しかし,いずれも総合評価では有意差は見られなかったことから,セルロース複合麺は,比較に用いた市販の低カロリー麺類と同様に受け入れられる可能性が高いと考えられた。

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