著者
数野 千恵子 畑中 裕貴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2016

【目的】昨年度、硬度の異なるミネラルウォーターを用いて寒天ゼリーを調製したところ破断荷重に差が見られることを報告した。今回、その原因がCaやMgによる影響かについて検討した。また、CaおよびMgが水のおいしさに与える影響、水と寒天ゼリーのおいしさは関係しているかについて官能評価を行い比較検討した。<br>【方法】1) 試料水の調製方法:硬度1468(製品C)とRO水を混合し、硬度30~1400に調製した。2) CaおよびMgを添加して硬度30・硬度315・硬度1468の模擬水を調製した。3) 寒天ゼリーの調製方法:粉末寒天に各試料水を加え膨潤し、撹拌しながら加熱した。試料液を加熱し溶解し定容後、流し箱に詰め、冷却したものを寒天ゼリーとした。4) 破断測定はクリープメーターで、粘度測定は粘度計で測定した。5) 官能評価:①硬度30(製品A)・硬度315(製品B)・硬度1468(製品C)の市販のミネラルウォーター、②CaおよびMgを添加した模擬水、③模擬水を用いて調製した寒天ゼリー3種類について評点法および順位法による官能評価を行った。6) 味覚分析は味認識装置を用いた。<br>【結果】1) 寒天ゼリーの破断荷重は、硬度30から硬度が高くなるに伴い徐々に下がり、硬度600が最も低くなった。硬度600~1500は一定の傾向は見られなかった。また、粘度測定では硬度が高くなるに伴い動粘度が高くなった。2) 官能評価①は、評点法では総合的なおいしさの項目で製品Cが他の2つに比べて低い評価だった。後味のすっきりさ・のどにひっかかる感じの項目でも製品Cは低い評価であった。3) 官能評価③は、順位法では製品Bの模擬水寒天ゼリーの評価が高かった。4) 味覚分析では、硬度が高いほど、後味である旨味コクは強かった。硬度が高くCa含有量の多い水は後味が残りやすく、硬度が低くCa含有量が少ない水はすっきりとした味に感じ、後味が好ましかった。

言及状況

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こんな論文まであって奥深い。 硬度が高くてカルシウムが少ない硬水だとすっきりした後味になる。 これは食べ比べてみるしかない *** CiNii 論文 -  水の硬度が寒天ゼリーの品質に与える影響-2 https://t.co/0wpWRTFWob #CiNii

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