著者
前田 樹海 山下 雅子 北島 泰子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

本研究班は、明らかな生命徴候の変化によらない看護師の急変予測の解明のために聞き取りないし質問紙による調査を実施してきたが、回顧的デザインでは認知バイアスの影響が推量しがたい。そこで今回、iOS端末上で動作する予測入力アプリを開発し、都内病院の1病棟に勤務する看護師全員に1ヶ月間、譫妄、転倒・転落、看取り等の事象を予測した都度端末に入力してもらい、あとから看護記録と照合し当該患者の転帰を追った。29名中19名が計103の予測を入力し、うち14名の看護師により40の的中をみた。全体の的中率は39%だが、項目別に見ると譫妄56%、転倒・転落11%、病状悪化63%、病状変化0%、看取り47%であり、ばらつきがみられた。ある程度予防可能な転倒・転落は対策を講じてしまうことや、そもそもの発生率が異なりしかも自然な発生頻度の不明な事象について「当たり」「はずれ」の確率が半々ということにはならない。本論ではかかるチャンスレベルに影響を与える要因について討議を行う。

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