著者
西村 桂一 前田 樹海 中村 きよみ
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.155-160, 2012 (Released:2012-08-21)
参考文献数
18
被引用文献数
1 4

わが国の栄養学では,類似した数種の食品を野菜類や肉類などの「食品群」としてまとめて,食育や食事療法などに活用している。一方,中医営養学では,食べることにより体を温める食品を温性,冷やす食品を寒性とするなど,食品の体への作用を「食性」として分類している。これまでに「食品群」と「食性」との関連性を調べた研究はない。そこで,『食物性味表』(日本中医食糧学会編著)記載の291品を『日本食品標準成分表』の「食品群」で分類し,「食品群」と「食性」との関連性を調べた。その結果,調味料や香辛料類にからだを温める「食性」を持つ物が多いこと,穀類や藻類などにからだを冷やす「食性」を持つ物が多いなど,いくつかの「食品群」と「食性」とのあいだに統計学的に有意な関連がみられた。これらの情報は今後,食品による健康作りへの活用が期待される。
著者
前田 樹海 山下 雅子 北島 泰子 辻 由紀
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.36, 2014 (Released:2014-10-05)

誰の目にも明らかな生命徴候の変化がないにもかかわらず、入院患者の死が近いことがわかるとされる看護師の存在が現場ではよく知られている。これらの看護師がもつ特性を明らかにするために看護職を対象とした質問紙調査を実施した。便宜的抽出法による看護有資格者252名中143名(56.7%)から回答が得られ、明らかな生命徴候の変化によらず入院患者の死期を認識した経験が「ある」と回答した者は47名(33.8%)であった。検定の結果、教育背景と看護師免許の有無、看護師としての経験年数が、明らかな生命徴候の変化によらず入院患者の死期を認識した経験の有無との間に有意な関連を示した。知識を蓄えるだけでなく生み出す訓練をしてきたそれらの看護師の中に、臨床現場において経験を知識として蓄積したり、経験から新たな知識を生み出すことができる者が多いことが示唆された。
著者
前田 樹海 山下 雅子 北島 泰子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

本研究班は、明らかな生命徴候の変化によらない看護師の急変予測の解明のために聞き取りないし質問紙による調査を実施してきたが、回顧的デザインでは認知バイアスの影響が推量しがたい。そこで今回、iOS端末上で動作する予測入力アプリを開発し、都内病院の1病棟に勤務する看護師全員に1ヶ月間、譫妄、転倒・転落、看取り等の事象を予測した都度端末に入力してもらい、あとから看護記録と照合し当該患者の転帰を追った。29名中19名が計103の予測を入力し、うち14名の看護師により40の的中をみた。全体の的中率は39%だが、項目別に見ると譫妄56%、転倒・転落11%、病状悪化63%、病状変化0%、看取り47%であり、ばらつきがみられた。ある程度予防可能な転倒・転落は対策を講じてしまうことや、そもそもの発生率が異なりしかも自然な発生頻度の不明な事象について「当たり」「はずれ」の確率が半々ということにはならない。本論ではかかるチャンスレベルに影響を与える要因について討議を行う。
著者
西村 桂一 前田 樹海 中村 きよみ
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.91-97, 2018 (Released:2018-04-16)
参考文献数
12

わが国では, 栄養学の観点から類似した数種の食品を野菜類や肉類などの「食品群」としてまとめ, 食育や食事療法などに活用されている。一方, 中医営養学においては, 食味すなわち食品の持つ味そのものが何らかの効能を持つと考えられており, 食味に基づいて食品はいくつかのカテゴリーに分類されている。この考え方は, 五行論, すなわち中国の5要素理論に由来しており, これらの5要素は臓腑ならびに食味と関連がある。本研究の目的は, これまで研究が皆無であった中医営養学の「食味」と「日本食品標準成分表」との関連性を明らかにする。『食物性味表』 (日本中医食養学会編著) 記載 (類推食品を除く) の379品中291品を『日本食品標準成分表』の「食品群」で分類し, 「食品群」と「食味」との関連性をFisherの正確確率検定で解析した。その結果, 解析対象の食品の約半数が「甘」であった。統計的に有意な関連性が示されたのは, 「甘」と「砂糖及び甘味類」, 「甘」「酸」と「果実類」, 「鹹」と「藻類」であった。これらの情報は健康作りへの活用が期待される。
著者
山下 雅子 前田 樹海 北島 泰子 辻 由紀
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.35, 2014 (Released:2014-10-05)

入院患者の死期予見経験を持つ看護職の存在については、逸話として耳にすることはあってもその実証的研究はほぼ皆無である。本調査では、それが実体のない風聞なのかそれともそのような予見経験を自覚する看護職は実在するのかを実証的に調べることにより、一般にはあまり知られていない、看護職内での直感的推論の例を示すデータを提示することを目的とした。結果として調査対象者(277名)の約3割が、生命徴候変化の無い死期予見経験がある、またはそのようなことができる看護職を知っていると報告していることから、患者の死期予見は全くの風聞ではなく、少なくともその経験を自称する看護職は稀な存在ではないと考えられた。
著者
前田 樹海 山下 雅子 北島 泰子 辻 由紀 古澤 圭壱
出版者
東京有明医療大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

明らかな生命徴候の変化によらず近い将来の患者の死期を予見できる看護師の存在ならびに、かかる看護技術の特性、獲得様式を明らかにするために調査を実施した結果、(1)このような患者の死期を認識した経験のある看護師は経験年数との有意な関連が認められること、(2)生命徴候の明らかな変化によらない患者の死の予見のほとんどが看護記録に残されていないが「その予感を他のスタッフや家族に話した」「他のナースからその予感について聞かされた」など、確認可能な事実を以て事前にその死を予感していたケースがあること、(3)看取り以外にも、せん妄、転倒・転落などのリスクを暗黙的な技術で評価している可能性が示された。
著者
前田 樹海 深山 智代 小西 恵美子 野坂 俊弥 田中 高政 STANLEY Grace
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

わが国では多くの地方公共団体で骨密度測定事業が実施されている。骨検診において、限られた資源や時間の中でより教育効果を高めるための方策について、提供者および利用者の両側面から研究を行なった。提供者側からのアプローチとしては、教育効果の高い生活指導に資する問診票、および健康教育に携わる保健師、栄養士、運動指導員が一定の共通認識を持って一貫性のある指導を行うための解説書の開発とその評価を実施した。問診票の項目は、WHO等が公表している国際的なリスク要因に基づき、利用者が記入しやすい、スタッフが指導しやすいという観点から厳選し、マークシート式のものを作成し評価を行なった。利用者側からのアプローチとしては、骨健診において、骨の健康について理解を深めるための解説書の作成および、骨量減少リスクを自己評価するためのツール開発を実施した。このようなツールは世界中ですでに数種類開発されているが、日本女性に特化したツールがない点、感度を高めるために特異度が犠牲になっている点が課題と考えられた。そこで、研究者らが開発した問診票からのデータをもとに、決定木による場合分けを行ない、最終的には年齢、食事、体重、20代の身長という説明変数で、骨量減少を予測するモデルを作成した。86%の精度で骨量減少を予測し、感度は91%、特異度は81%を示した。一般化のためにはさらなるデータの蓄積と検討が必要と考えられたが、地域住民が骨検診への動機付けを高めるためのツールとしては一定の役割を果たすことが推察される。上記研究成果の一部を、International Osteoporosis Foundation World Congress on Osteoporosis 2006(Toronto, Canada)およびInternational Council for Nurses Conference 2007(横浜市)にて発表した。また、第33回日本看護研究学会学術集会(盛岡市)および、日本医療情報学連合大会(神戸市)にて発表予定である。