- 著者
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大杉 尚之
河原 純一郎
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2016, 2016
頷きと首振りは自分の態度を相手に伝える上で重要な動作である。これまでの研究では,視線や表情は,相手に接近したい(接近動機),または回避したい(回避動機)というサインを発信するため,顔の印象形成に影響すると考えられてきた。同様の接近−回避動機は,頷きや首振りによっても発信される可能性がある。そこで本研究では,3DCGモデルが頷きまたは首振り動作をすることがその顔の主観的印象(好ましさ,近づきやすさ)に及ぼす影響を測定した。実験の結果,頷き条件は好ましさ評定値と近づきやすさ評定値が首振り条件や静止(統制)条件に比べて高い値となった。また,この頷きへの選好効果は,外見上の好ましさや顔の魅力評定を行わせた場合には十分ではなく,内面の好ましさ評定を求めた場合に顕著に示された。このことから,頷き動作は接近動機を相手に示すことで,人物の内面的な印象(性格等)を良く見せる効果があることが明らかとなった。