- 著者
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山口 智子
小谷 スミ子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.64, 2012
【目的】新潟県では米粉の消費拡大による食糧自給率の向上を図っており、米粉パンや麺類、クッキーなど米粉を使った食品が数多く開発されている。これまでに演者らは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いたアレルゲンフリー米粉パンの製造方法を確立している。本研究では、このHPMCの膨化作用を米粉ドーナツの製造に応用し、玄米粉を配合した米粉ドーナツの吸油率、硬さ、おいしさについて検討を行った。<br>【方法】白米粉はH21年度新潟県産コシヒカリDKタイプ(新潟製粉(株))を、玄米粉はH21年度新潟県産コシヒカリ((株)新生バイオにて製粉)を、増粘剤HPMCはSFE-4000(信越化学工業(株))を使用し、白米粉に対して玄米粉0、25、50、75、100%配合したドーナツを製造した。比較対象として小麦粉ドーナツも製造した。ドーナツメーカーで成形後、180℃のサラダ油で4分間揚げ、吸油率の測定と官能評価を行った。さらに、常温保存および冷凍保存したドーナツの硬さを、卓上型物性測定器(TPU-2S(B)、(株)山電)にて測定した。<br>【結果】吸油率は米粉ドーナツで約18%、小麦粉ドーナツで約26%となり、米粉ドーナツの方が有意に吸油率は低かった。玄米粉の配合割合の違いによる有意差は吸油率にはみられなかったが、硬さに関しては、玄米粉の配合割合が50%以上になると有意に硬くなった。官能評価において、外観の色は玄米粉の配合割合が高いほど悪いと評価され、総合的なおいしさでは玄米粉を25%配合した米粉ドーナツが好まれる傾向にあった。米粉ドーナツは常温で保存すると硬化が進むが、冷凍保存することにより硬化が抑制される傾向がみられた。