著者
小林 瑠美子 小谷 スミ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.171, 2005 (Released:2005-09-13)

【目的】旧暦の2月15日、涅槃会(お釈迦様が亡くなった日)に、佐渡地方では「やせごま(やせうま、しんこだんご)」を供えお参りする。これは団子の一種で、直径5cm、長さ15cm位の円筒形をしていて、輪切りにすると金太郎あめのように同じ模様がでる。本研究ではやせごまが作られるようになった由来、風土との関係を調べると同時に、佐渡以外の地域に見られる類似した伝統食を調べることを目的とした。【方法】佐渡在住者10名を対象に2004年11月_から_12月に聞き取り調査を行った。文献調査は、日本の食生活全集および各種資料を用いた。【結果】1.聞き取り調査の結果、「やせごま」は国仲平野の新穂(にいぼ)、畑野地区を中心に、両津、金井、佐和田地区で作られていた。羽茂(はもち)地区では「くじらもち」の名で作られており下北半島で端午の節句に作られる「べこもち(くじらもち)」との関連が伺えた。小木地区では法事にも作られていた。相川地区では寺で作るが家庭で作る習慣はなく、真野、赤泊地区ではあまり作られていなかった。2.涅槃会の供え菓子は主に北陸地方に見られた。3.長野県全般で作られている「やしょうま」、長野県に隣接する新潟県津南町の「やしょうま(みみだんご)」と岐阜県恵那市の「花くさもち」、長野から離れた福井県遠敷郡の「花くず」は「やせごま」に似た作り方であった。4.北陸地域では「涅槃会のだんごまき」をする風習が残っており、新潟県中越では「だんごまきの涅槃だんご」、富山県氷見市や魚津市では「お釈迦のだんご」、福井県では「ねはんだんご」と呼ばれる赤、白、緑、黄に彩られた大小さまざまな団子がお寺でまかれていた。能登半島の寺では「犬の子(いんのこ)」と呼ばれる団子をまく風習が残っていた。
著者
小谷 スミ子 今井 友里子 山口 智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】日本農林規格によると、パン粉は「小麦粉またはこれに穀粉類を加えたものを主原料とし、これにイーストを加えたものまたはこれらに食塩、野菜及びその加工品、砂糖類、食用油脂、乳製品等を加えたものを練り合わせ、発酵させたものを焙焼等の加熱をした後、粉砕し、乾燥したものまたはしないもの」であり、市販パン粉の原材料および組成はさまざまである。パン粉を使ったフライのおいしさは、サクサクとした食感によるところが大きい。本研究では、揚げパン粉のサクサク感を破断強度測定から得られた破断曲線の微分データを用いて数値化することを試みた。また官能評価との関連も検討した。【方法】試料は市販の米パン粉(生8種、乾燥4種)と小麦パン粉(生4種、乾燥4種)を用いた。吸油率は全国パン粉工業協同連合会による方法で、色調は色彩色差計CR-200b(ミノルタカメラ(株))で測定した。破断強度はクリープメーターRE-3305((株)山電)で測定し、解析は破断強度解析Windows Ver.2.0(BAS-3305(W))によった。さらに、官能評価により特性を調べた。【結果】180℃で2分間揚げたパン粉のサクサク感を次の計算式で求めた。微分データ計算値=√Σ(Xi^2*n) 但し、Xi:破断曲線から得られた各微分値(gf/%)、n:各微分値の測定開始から終了までの集計結果(個)。得られた微分データ計算値は、米パン粉の場合670~1200(gf/%)の範囲に分布し、生パン粉でも乾燥パン粉でも製品により大きく異なった。一方、小麦パン粉は620~760(gf/%)の範囲に分布し、いずれの製品も近い値が得られた。微分データ計算値の異なるパン粉の官能評価では関連性が認められた。
著者
山口 智子 大樌 春菜 小谷 スミ子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.101, 2011

【目的】小麦粉の代替品として米粉に注目が集まる中、昨今、米粉パンから製造した米パン粉が開発されている。縁者らはこれまでに、市販されている種々の米パン粉と小麦パン粉について、フライ調理過程における吸油率の比較を行い、米パン粉の吸油率が小麦パン粉に比べて低いことを明らかにしている。本研究では、パン粉の粒度による吸油率や着色度の相違を明らかにすることを目的とした。<BR>【方法】試料として、米パン粉(生)、小麦パン粉(生)、市販小麦パン粉(乾燥)2種を用いた。米パン粉(生)と小麦パン粉(生)は、原材料とその配合割合ができるだけ同じになるようにパンを焼成し、常温で72時間経過後にフードプロセッサーで粉砕、粒度2、3、4mmのパン粉を作成した。水分は常圧乾燥法で、吸油率は全国パン粉工業協同連合会2008による簡易測定法で、着色度は色彩色差計で測定した。また、米パン粉と小麦パン粉を用いたハムカツについて、5段階評点法による官能評価を行なった。<BR>【結果】米パン粉(生)の吸油率は約30%であり、小麦パン粉(生)より吸油率に低い傾向がみられた。米パン粉(生)では粒度によって吸油率に相違はみられなかったが、小麦パン粉では粒度の小さい方が吸油率が低かった。フライ調理後の着色度については、米パン粉(生)は小麦パン粉より明度L<SUP>*</SUP>が低く、赤味a<SUP>*</SUP>が強く、黄味b<SUP>*</SUP>が弱くなる傾向があった。また、全パン粉において粒度の小さい方が明度L<SUP>*</SUP>が高く、黄味b<SUP>*</SUP>が強い傾向がみられた。粒度3mmのパン粉を用いたハムカツの官能評価の結果、米パン粉のフライは小麦パン粉のフライに比べて衣の色が濃く、衣がかたく、口当たりがやや悪いものの、味が良く総合評価も高かった。
著者
玉木 有子 伊藤 直子 佐藤 恵美子 立山 千草 太田 有子 伊藤 知子 松田 トミ子 山田 チヨ 長谷川 千賀子 山口 智子 小谷 スミ子 渡邊 智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2015

【目的】平成24~25年度日本調理科学会特別研究『次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理』の一環として新潟県村上市の食と行事の結びつきについて調査を行った。郷土料理や伝統的な食の文化が親から子へ伝承されにくい傾向がある状況の中で、年中行事や慣わしが現代に受け継がれてきた村上市の現状を報告する。<br> 【方法】村上市在住の75~88歳の高齢者(平均80.5歳)から平成25年11月~平成26年3月に聞き書き調査を行い、村上市の史料館や歳時記を参考に現代に伝え継がれている年中行事、慣わしに関する食と行事の結びつきを調査した。<br> 【結果】昭和34年頃までは旧暦が用いられ、現在も名残が残る。季節毎の年中行事や慣わしが多く受け継がれており、主に祭事に関する料理が残っている。神社の信仰により伝承されてきた村上大祭(7月7日)(村上地区) 、瀬波大祭(9月4日)(瀬波地区)、岩船大祭(10月19日)(岩船地区)の3大祭りの他、稲荷神社の初午(2月の第1の午の日)、七夕祭り(8月16日)、地蔵堂の地蔵祭り(11月3日)などは今日まで受け継がれており、市民生活の潤いとなっている。初午では、粳米に小豆を入れて炊いた小豆飯、糠鰯、三角油揚げ、煮しめなどを食べる。古くは米俵のサンバイシにのせて地域のお稲荷様に供えた。節分では、まいた豆を保存し厄除け代わりに一年中食べる慣習がある。この他にも鮭を特別な魚(魚の中の魚)として大切に食しており、村上市の食と行事の結びつきには精神性の高い食の文化が伝え継がれている。
著者
佐藤 恵美子 松田 トミ子 山田 チヨ 渡邊 智子 山口 智子 伊藤 知子 伊藤 直子 太田 優子 小谷 スミ子 立山 千草 玉木 有子 長谷川 千賀子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』のガイドラインに準じた聴き取り調査結果から、昭和35~45年頃までに定着した新潟県のおやつについて報告する。<br />【方法】村上、新潟、長岡、柏崎、魚沼、上越、佐渡の7地域のおやつについて検討した。<br />【結果】新潟県は米を中心とした主食の豊かな食文化があり、うるち米、もち米、くず米、米粉を使ったものが多く、おやつにも主食と類似した文化がみられた。うるち米を使ったものには、おにぎりに生姜味噌をつけて焼いた「けんさん焼き」(魚沼)、米を二度炊きにしてから搗いた「にたて餅」(村上)があった。もち米を使った「餅」はきな粉や砂糖醤油をつけて頂き、「あんこ雑煮(おしるこ)」や「あられ」・「かたもち」(新潟)にして食された。米麹から作る「甘酒」(新潟)、灰汁に漬けたもち米を笹の葉で巻いた「灰汁笹巻」(村上)も特徴的である。もち米や米粉を使ったものには、新潟県の特産品として親しまれている「笹団子」(新潟・県全域)があり、中に餡を入れたものだけでなく、ひじきやあらめの煮物を入れたものも食された。新潟県のおやつには笹の葉を用いたものが特徴的であり、笹団子の他に「三角粽」(柏崎・県全域)や「笹餅」(魚沼)などがあり、地域により笹の用い方に違いがみられた。くず米の利用として、あんや大根菜を入れた「あんぼ」(魚沼)、「おやき」(柏崎)、「みょうが団子」(上越)などがある。佐渡では米粉を使ったものとして、雛祭りには「おこしがた」、釈迦祭りには「やせうま」、ケの日には「とびつき」が食べられていた。その他のおやつに含まれるものに「バタバタ茶」(上越)があり、糸魚川市で泡立てた番茶をいただく風習があった。
著者
高橋 洋子 粟津原 宏子 小谷 スミ子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.310-319, 2006-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
34
被引用文献数
1

Salmon and yellowtail are recognized as special fishes in Niigata, Nagano, and Toyama prefectures. The traditional dish of Shiobiki Sake originated in the Murakami region of Niigata prefecture, and salmon became popular in the Iiyama, Nagano and Saku districts of Nagano prefecture from its fishing in the Chikuma river. On the other hand, yellowtail became popular in the Matsumoto, Suwa, Ina, and Iida districts of Nagano prefecture due to being on the supply route for salted yellowtail from Toyama prefecture. Toyama bay provides good fishing grounds for catching yellowtail in the winter as Kannburi, while Toyama prefecture is recognized for its development of the fishing method, processing technique and distribution of yellowtail.
著者
山口 智子 大樌 春菜 小谷 スミ子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63回大会(2011年)
巻号頁・発行日
pp.101, 2011 (Released:2011-09-03)

【目的】小麦粉の代替品として米粉に注目が集まる中、昨今、米粉パンから製造した米パン粉が開発されている。縁者らはこれまでに、市販されている種々の米パン粉と小麦パン粉について、フライ調理過程における吸油率の比較を行い、米パン粉の吸油率が小麦パン粉に比べて低いことを明らかにしている。本研究では、パン粉の粒度による吸油率や着色度の相違を明らかにすることを目的とした。【方法】試料として、米パン粉(生)、小麦パン粉(生)、市販小麦パン粉(乾燥)2種を用いた。米パン粉(生)と小麦パン粉(生)は、原材料とその配合割合ができるだけ同じになるようにパンを焼成し、常温で72時間経過後にフードプロセッサーで粉砕、粒度2、3、4mmのパン粉を作成した。水分は常圧乾燥法で、吸油率は全国パン粉工業協同連合会2008による簡易測定法で、着色度は色彩色差計で測定した。また、米パン粉と小麦パン粉を用いたハムカツについて、5段階評点法による官能評価を行なった。【結果】米パン粉(生)の吸油率は約30%であり、小麦パン粉(生)より吸油率に低い傾向がみられた。米パン粉(生)では粒度によって吸油率に相違はみられなかったが、小麦パン粉では粒度の小さい方が吸油率が低かった。フライ調理後の着色度については、米パン粉(生)は小麦パン粉より明度L*が低く、赤味a*が強く、黄味b*が弱くなる傾向があった。また、全パン粉において粒度の小さい方が明度L*が高く、黄味b*が強い傾向がみられた。粒度3mmのパン粉を用いたハムカツの官能評価の結果、米パン粉のフライは小麦パン粉のフライに比べて衣の色が濃く、衣がかたく、口当たりがやや悪いものの、味が良く総合評価も高かった。
著者
山口 智子 石田 晴香 小谷 スミ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.50, 2010 (Released:2010-08-27)

【目的】近年、日本人は脂肪の取り過ぎの傾向にあり、揚げ物などの摂取を避ける人が増加している。揚げ物は、衣の適度な焦げと独特の香りが食欲をそそり、旨味成分やビタミン類などの損失が少ない利点があり、健康を考えた揚げ物への関心が高まっている。そこで本研究では、近年開発された米粉パンから製造した米パン粉のフライ調理過程におけると吸油率と物性変化を測定することで健康志向にかなった製品となりうるのかどうかを検討することを目的とした。 【方法】試料は市販の米パン粉(生2種、乾燥2種)と小麦パン粉(生4種、乾燥4種)を用いた。水分は常圧乾燥法(105℃)で、吸油率は全国パン粉工業協同連合会2008による簡易測定法で、テクスチャーは(株)山電製卓上型物性測定器TPU-2S(B)を用いて測定した。また、米パン粉と小麦パン粉を用いたエビフライについて、5段階評点法による官能評価を行なった。 【結果】180℃で2分間の揚げ調理操作をしたパン粉の吸油率は米パン粉29.3~50.9%、小麦パン粉47.3~81.9%となり製品により大きく異なったが、米パン粉の吸油率は小麦パン粉より低いことが明らかとなった。硬さは製品により差が大きく、米パン粉と小麦パン粉の相違は認められなかった。吸油率の低い米パン粉と有意に高い小麦パン粉を選んで揚げたエビフライの官能評価では、総合的に有意差は認められなかった。以上の結果から米パン粉は小麦パン粉より吸油率が低く健康志向にかなった製品と考えられる。
著者
山口 智子 小谷 スミ子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2012

【目的】新潟県では米粉の消費拡大による食糧自給率の向上を図っており、米粉パンや麺類、クッキーなど米粉を使った食品が数多く開発されている。これまでに演者らは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いたアレルゲンフリー米粉パンの製造方法を確立している。本研究では、このHPMCの膨化作用を米粉ドーナツの製造に応用し、玄米粉を配合した米粉ドーナツの吸油率、硬さ、おいしさについて検討を行った。<br>【方法】白米粉はH21年度新潟県産コシヒカリDKタイプ(新潟製粉(株))を、玄米粉はH21年度新潟県産コシヒカリ((株)新生バイオにて製粉)を、増粘剤HPMCはSFE-4000(信越化学工業(株))を使用し、白米粉に対して玄米粉0、25、50、75、100%配合したドーナツを製造した。比較対象として小麦粉ドーナツも製造した。ドーナツメーカーで成形後、180℃のサラダ油で4分間揚げ、吸油率の測定と官能評価を行った。さらに、常温保存および冷凍保存したドーナツの硬さを、卓上型物性測定器(TPU-2S(B)、(株)山電)にて測定した。<br>【結果】吸油率は米粉ドーナツで約18%、小麦粉ドーナツで約26%となり、米粉ドーナツの方が有意に吸油率は低かった。玄米粉の配合割合の違いによる有意差は吸油率にはみられなかったが、硬さに関しては、玄米粉の配合割合が50%以上になると有意に硬くなった。官能評価において、外観の色は玄米粉の配合割合が高いほど悪いと評価され、総合的なおいしさでは玄米粉を25%配合した米粉ドーナツが好まれる傾向にあった。米粉ドーナツは常温で保存すると硬化が進むが、冷凍保存することにより硬化が抑制される傾向がみられた。
著者
加藤 征江 山路 恵子 小谷 スミ子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.165-177, 2000-09-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
9

In order to investigate how the sweetness preference affects the situation and consciousness of dietary life among the younger generation, we surveyed male and female students (300 males, 298 females) using a questionaire. The results were as follows.1) As for the sweetness preference, “the intake frequency of sweet confectionery” was strongly correlated with each of the intake frequencies for six kinds of confectioneries. Also, the “favorite concentration of sweet drink” was strongly correlated with each preference degree for two kinds of sweet drinks.2) The at-home group showed a rather higher intake frequency for sweet confectionery, compared with the group living out of the house for both the male and female students. The sport activity group had a higher intake frequency for sweet drinks than the other groups, especially for the males.3) The “intake frequency of breakfast” was the lowest of the three meals. Especially, 41.3 % of the male students always skipped breakfast. Also for the males, the group that skipped breakfast had a lower intake frequency for sweet confectioneries and sweet drinks in addition to the meal than the group taking it every day.4) For the famales, it was significantly noted that the groups doing biased dieting had a lower intake frequency for sweet drinks and also that the groups thinking of a nutritional balance liked the thinner taste for sweet drinks.5) Based on an analysis using Hayashi's Quantification Method 1, the degree which the sweetness preference concerns the “degree of satisfaction of dietary life” wasn't as strong as much the “intake frequency of breakfast” and “nutritional balance” . The groups with a higher intake frequency for sweet confectionery had, if anything a lower degree for satisfaction for dietary life. Also, for the males, groups liking a thicker taste for sweet drinks and for the female, groups liking a rather thinner taste for sweet drinks had a higher degree for satisfaction for dietary life.
著者
小谷 スミ子 佐藤 優子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.66, 2004 (Released:2004-09-09)

目的 白飯は保存によりデンプンが老化し食味は硬くボソボソする。特にアミロース含量の高い米は老化しやすい。これを防ぐため柑橘果汁、食酢などを添加して炊飯する方法が考案されている。これらの飯に含まれるレジスタントスターチ(以下RSと略)を測定すると同時にRS生成に及ぼすアミロース含量と保存の影響について検討した。方法 1.試料:平成15年度新潟産コシヒカリ、平成15年度滋賀産日本晴、平成12年度タイ産タイ米、2.試料の調製:白飯は米に重量の1.5倍の水を加え、酢飯は米と炊き水合計重量の6%の食酢を炊き水に添加し、全自動炊飯器JNL-T551 Wで炊飯した。3.試料の保存:炊き上がり後、あらかじめ洗って水を切っておいた飯台に移し、ぬれ布巾をかけ放冷した。その後およそ100gずつ秤量し、市販の食品包装用ラップフィルムに包み、室温(23℃)および冷蔵(4℃)で2日間保存した。4.RSの定量:Goni等(1996)の方法を一部改変して測定した。5.アミロースの定量:Mestres等(1996)のDSCを用いた方法で測定した。結果 1.食酢を加えて炊飯することでいずれの米も粘りは増した。2.コシヒカリ、日本晴、タイ米を炊飯した白飯のRS量はそれぞれ0.10±0.02%、0.14±0.04%、0.77±0.02%であり、酢飯のRS量はそれぞれ0.11±0.03%、0.17±0.02%、0.50±0.08%であった。食酢添加によりタイ米のRS量は著しく減少した。3.すべての飯は保存によりRS量が増加し、酢飯のRS増加量は白飯より多かった。4.タイ米の酢飯は、保存により白飯と同程度のRS量になった。
著者
山口 智子 松澤 良江 小谷 スミ子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 62回大会(2010年)
巻号頁・発行日
pp.247, 2010 (Released:2010-10-15)

目的 米粉パンはもちもち感やしっとり感があり、米の甘みが感じられ、腹持ちが良いなどの特徴を有している。しかし、小麦パンと比較すると水分含有率が高いため、硬化の進行が早く、作りたての食感を保つことは難しい。そこで本研究では、米粉パンの製造の際にトレハロースを添加することで、保存中に水分含有率と食感が保持できるかどうかを検討することを目的とした。方法 米粉パンの材料として、米粉・食塩・上白糖・オリーブオイル・ドライイースト・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC:SFE-4000、信越化学工業(株))・トレハロース・温湯を用い、180℃で焼成した。その後、ピュアパックに入れ25℃で5日間保存した。そして、保存1、2、3、5日目の試料について、水分含量を常圧乾燥法で、テクスチャー(硬さ、凝集性、付着性)を(株)山電製 卓上型物性測定器TPU-2S(B)を用いて測定した。また、トレハロースを添加した米粉パンと添加していない米粉パンについて、7段階評点法による官能評価を行なった。結果 トレハロースを添加した米粉パンは、保存日数が経過しても水分含有率の低下が少なかった。また、テクスチャーの変化を調べたところ、硬さと付着性の変化は少なく、硬化の進行が抑制される傾向がみられた。しかし、市販の小麦パンに比べるとテクスチャーの変化は大きく、柔らかな食感を保持することはできなかった。官能評価では、トレハロースを添加した米粉パンは添加していない米粉パンよりもきめの細かさやもちもち感、しっとり感などの食感が良いと評価され、総合評価でも有意に良く、好まれることが明らかになった。
著者
小谷 スミ子 伊藤 知子 内藤 照美
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学教育人間科学部紀要. 自然科学編 (ISSN:13442961)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.61-80, 2003-11-28

新潟県の小学校教員を対象に学級の食物アレルギー児の実態と学校給食での対応についてアンケート調査を行った。食物アレルギー児のいる学校は46.0%,学級は21.3%,食物アレルギー児は1.3%,食物アレルギー児の55.1%は除去食を4.7%は弁当を持参していた。食物アレルギー児がいつも食べない原因食品は卵・卵製品が最も多く,次いでエビ・カニなど,穀類,牛乳・果実・魚類・大豆・大豆製品であった。アナフィラキシーについて知識のある教員は73.8%であった。アナフィラキシーを起こした児童は給食のあと運動したときやエビ,そばを食べたあとが多く,5.2%の教員が経験していた。学校給食の調理方式は市部で自校方式66.7%,センター方式27.3%,郡部で自校方式52.2%,センター方式45.6%であった。栄養職員がいると答えた教員は市部58.0%,郡部21.3%,兼任でいないは市部29.0%,郡部48.8%,いないは市部5.9%,郡部26.5%であった。学校給食で食物アレルギー児向けメニューを取り入れている学校は市部38.2%,郡部21.1%であり,自校方式29.0%,センター方式21.6%であった。食物アレルギー児のいる学級の20.8%,除去食児のいる学級の31.7%がメニューを取り入れていた。メニューを取り入れるに際し学級担任は保護者,養護教諭,栄養士,学校などとの連携を重要視し,患児に応じた除去食,代替食で対応していた。メニューを取り入れるのが困難な理由としてセンター方式のため,予算がない,人手がない,他の児童への配慮などが挙げられた。食物アレルギー児の弁当持参への対応では,給食献立表を見て食べられない時は弁当を持ってきてもよい50.9%が最も多く,次いで給食で食べられない食品を残してもよい38.5%であり,栄養士と相談して給食のメニューから問題の食品を抜いてもらう22.・8%,毎日弁当を持ってきていい20.2%は少なかった。学校給食に食物アレルギー児向けメニューを取り入れるには学級担任・患児・保護者・養護教諭・栄養職員・主治医・管理職相互のコミュニケーションに加え,行政からの人員配置や経済的支援も必要であると考えられた。