著者
大澤 香奈子 内藤 章江 小町谷 寿子 石原 久代 橋本 令子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 行動と色には結びつきが見られ,色を利用し生活行動を助けることはユニバーサルデザインを考えるうえで有用であると考える.既に捉えた,人が暗黙裡に抱く色の象徴性の共通認識の傾向の中で,左右を象徴する色については20%以上の一致が見られた.本研究では,実際の生活アイテムにあってもそれが認識されるかどうか,行動と色の結びつきを実験的に検証し,色の有効な利用方法を検討する.<br><b>方法</b> 左右の判断を躊躇することがあるアイテムに色を入れた試料を用いて,左右を判断・評価する調査実験を行った.試料には6アイテム,8色(v2,v12,v18,p2,p12,p18,W,Bk)を用いて,計48試料を用意した.被験者は18~21歳の女子学生150名,印刷した試料を1つずつ提示し,7段階で評価してもらった.被験者には併せて試料に用いたアイテムの使用経験を回答させた.<br><b>結果</b> 全てのアイテムにおいて,右との回答がv2の色のついた試料で最も多く,既に行った色票での調査結果と合致する結果であった.トーンについてはビビットトーンに比べ無彩色やペールトーンでは判断があいまい或いは判断に至らない傾向が見られ,色相やトーンが左右の判断に影響していることがうかがわれた.この検証結果から,他の生活行動を助ける色を判断・評価を行う実験へと展開するに要する知見が得られた.

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