著者
重田 祥範 菊川 由香利 大橋 唯太
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.23, 2014

2004年は観測史上最多となる10個の台風が日本に上陸した.その中でも台風0416号と0418号は瀬戸内海沿岸に甚大な高潮被害をもたらした.そこで,メソ数値気象モデルWRFと海洋数値モデルPOMの結合計算により,同経路を有する台風0416号と0418号を対象に瀬戸内海で発生した高潮の再現計算をおこなった.本研究では,高潮発生の主要因である吹き寄せ効果に主眼を置き,両台風の被害地域の違いを解析した.高松,宇野,松山,神戸の4地点で実測値と計算値を比較した結果,台風0416号において,高松では台風通過後,宇野では接近前に潮位偏差の計算値が実測値よりも過大評価していた.また,類似経路をとった台風でも最接近時の通過場所が海上もしくは陸上の違いで風向が異なるほか,潮位偏差が大きくなる海域についてもその風系の影響を受けて違いが生じることが明らかとなった.

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