- 著者
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上野 将敬
山田 一憲
中道 正之
- 出版者
- 日本霊長類学会
- 雑誌
- 霊長類研究 Supplement
- 巻号頁・発行日
- vol.31, pp.41-42, 2015
集団で暮らす霊長類は、様々な相手と毛づくろいを行いあって利益を得る。近年の研究では、彼らが利益をより大きくするために2個体間で駆け引きを行っているのか、それとも、相手をかえながらより大きな利益を得られる相手を選んでいるのかが議論されている。本研究では、相手と親密であるか否かを考慮して、毛づくろいの催促が失敗し、相手から毛づくろいを受けられなかった時に、ニホンザルがどのように行動するのかを調べ、毛づくろい交渉における短期的な行動戦術を検討した。勝山ニホンザル集団(岡山県真庭市)における17頭の成体メスを対象に個体追跡観察を行った。普段の近接率をもとに、親密な相手と親密でない相手を区別した。