著者
石村 豊穂 坂井 三郎 鐵 智美 尾田 昌紀
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

微小領域切削装置Geomill326と微量炭酸塩分析システムMICAL3cを用い,微小領域における魚類耳石の安定同位体比分析をおこなった.1歳魚と推定される千葉県産マイワシの耳石を成長段階ごとに,幅30µm前後,最大深度100µmで切削をおこなった.回収したサンプル量はそれぞれ0.6~5.5µgである.安定同位体比分析の結果,成長段階によって同位体組成が明瞭に変動することを確認でき,このマイワシ耳石の同位体比の変動幅から北西太平洋を回遊する群集であることが推測された.そこで回遊経路を照合したところ,黒潮から混合域,そして親潮へ移動した情報が耳石に明瞭に記録されており,実際の回遊経路とも整合性があることが示され,これまでに無い高精度・高解像度での生息環境復元が可能であることを示した.

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