著者
福本 優 岡 絵理子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.323-328, 2017

ハノイにおいて、社会主義時代に建設された画一な集合住宅団地であるKTTは、経済開放を経て、現在までに大きな変化を遂げてきた。KTTは、過密な人口や市街地の住環境の悪化というハノイ市の社会問題の中で、再開発の必要性が訴えられている。そこで、本研究では、先行して再開発が始まったNguyen Cong Tru KTTを対象に、実測調査による全体像の把握と、オープンスペースの利用実態及び住民の意識を明らかにすることを目的とした。調査の結果、経済開放後、KTTにおいても様々な用途で団地のオープンスペースは利用され、その用途の分布の偏りが場所のイメージにも変化を与えていることが明らかとなった。また、住民はオープンスペースを占有しつつも、他の住民と相互に調整しながら利用することで、団地のオープンスペースに活気ある風景を生み出していることが明らかとなった。これらは、今後の再開発において、豊かな風景を生み出すためのマネジメントや土地利用の決定に示唆的な知見をもたらすと同時に、我が国の集合住宅団地の再生にも共通する新たな知見を与えた。

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CiNii 論文 -  ベトナムの社会主義団地のオープンスペースの商業利用実態と住民意識に関する研究 https://t.co/TnWClkUvo8 #CiNii

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