著者
岡 絵理子 鳴海 邦碩 ウィトメン トメンジャルガル
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.637-642, 2002-10-25 (Released:2017-11-07)
参考文献数
5

1990年以降、社会主義体制下にあった多くの都市は、民主主義体制へと移行しつつある。社会主義化では、土地や住宅は国家のものとされていた。しかし民主主義下において土地や住宅は個人の所有となり、その概念にも変化が生じているものと考えられる。本論文は、このような都市の1つとしてモンゴルの首都ウランバートルを取り上げ、2つの異なるタイプの住宅地に見られる土地と住宅の変容を調査した。その結果、個人の所有する土地と公的な空間の境界はあいまいで、前者が後者を侵食しつつあり、公的空間の明示と基盤の整備、さらには公共意識の醸成が必要である事が明らかとなった。
著者
岡 絵理子
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.87, pp.86-91, 2014 (Released:2017-06-29)
参考文献数
7
被引用文献数
1

To prevent the reduction of the population in center of Osaka City, many measures had been taken aiming to promote building esidences. As a result, many super high-rise apartment complexes were built. However, it is a question whether these buildings are eally used as residences. In this study, to investigate this, basal data including the location trend and the building forms of 103 uper high-rise apartment complexes in 6 wards of Osaka downtown areas were collected and organized. We found that almost half the of super high-rise apartment complexes were built at the formerly public lots or in downtown, where business buildings of themajor companies representing Osaka had been previously located. These phenomena may reflect the changes of business community in Osaka Further, it is of note that a rate of super high-rise apartment complex actually used for residence was very low in the redeveloped area.
著者
福本 優 岡 絵理子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.323-328, 2017

ハノイにおいて、社会主義時代に建設された画一な集合住宅団地であるKTTは、経済開放を経て、現在までに大きな変化を遂げてきた。KTTは、過密な人口や市街地の住環境の悪化というハノイ市の社会問題の中で、再開発の必要性が訴えられている。そこで、本研究では、先行して再開発が始まったNguyen Cong Tru KTTを対象に、実測調査による全体像の把握と、オープンスペースの利用実態及び住民の意識を明らかにすることを目的とした。調査の結果、経済開放後、KTTにおいても様々な用途で団地のオープンスペースは利用され、その用途の分布の偏りが場所のイメージにも変化を与えていることが明らかとなった。また、住民はオープンスペースを占有しつつも、他の住民と相互に調整しながら利用することで、団地のオープンスペースに活気ある風景を生み出していることが明らかとなった。これらは、今後の再開発において、豊かな風景を生み出すためのマネジメントや土地利用の決定に示唆的な知見をもたらすと同時に、我が国の集合住宅団地の再生にも共通する新たな知見を与えた。
著者
岡 絵理子
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.87, pp.86-91, 2014

To prevent the reduction of the population in center of Osaka City, many measures had been taken aiming to promote building esidences. As a result, many super high-rise apartment complexes were built. However, it is a question whether these buildings are eally used as residences. In this study, to investigate this, basal data including the location trend and the building forms of 103 uper high-rise apartment complexes in 6 wards of Osaka downtown areas were collected and organized. We found that almost half the of super high-rise apartment complexes were built at the formerly public lots or in downtown, where business buildings of themajor companies representing Osaka had been previously located. These phenomena may reflect the changes of business community in Osaka Further, it is of note that a rate of super high-rise apartment complex actually used for residence was very low in the redeveloped area.
著者
小野 明寿香 岡 絵理子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.113-116, 2016

近い将来、大阪ベイエリアは南海トラフ地震による津波で被害を受けるとされており、地域住民を巻き込んだ防災コミュニティの構築や津波避難施設の確保が必要である。 しかし、産業構造の変化により、大阪ベイエリアに立地するからこそ成り立つ生業に就きその職場の近くで住まう人々が減少し、「水防団」に入団する等して、自ら街を守るという意識を持った住民は少なくなったと考えられる。 そこで本研究は、現在ベイエリアに住む人々の防災意識を確認し、大阪ベイエリアで生活する住民の職住環境が変化する中で、そこで暮らす住民の生活と付随するべき防災意識との結びつき方を調査し、今後の地域防災のあり方を提案することを目的とする。
著者
岡 絵理子 藤井 崇史 鳴海 邦碩
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.43.3, pp.379-384, 2008-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

日本をはじめアジア諸都市では、高層集合住宅の建設が急速に進んでいるが、その一方で、老朽化した中高層集合住宅のもたらす問題も大きい。そこで本研究では、住民の99%が集合住宅に住んでいる香港で、都市再生局が都市再生の一つの手法として用いている建物再生事業に注目し、その手法を理解した上で都市再生における効果を検証した。観察調査やヒアリング調査の結果、香港での集合住宅再生事業は、抜本的方策ではないが、地域の持続性、住宅市場の活性化、事業そのものの波及効果、地域を活気づける効果が期待でき、わが国の地区再生に対しても示唆する点があることが明らかとなった。
著者
野間 晴雄 森 隆男 高橋 誠一 木庭 元晴 伊東 理 荒武 賢一朗 岡 絵理子 永瀬 克己 朴 賛弼 中俣 均 平井 松午 山田 誠 山元 貴継 西岡 尚也 矢嶋 巌 松井 幸一 于 亜 チャン アイン トゥアン グエン ティ ハータイン チャン ティ マイ・ホア 水田 憲志 吉田 雄介 水谷 彰伸 元田 茂光 安原 美帆 堀内 千加 斎藤 鮎子 舟越 寿尚 茶谷 まりえ 林 泰寛 後藤 さとみ 海老原 翔太
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

東アジア世界に位置する歴史的地域としての東シナ海,日本海,黄海・渤海・中国東北地方,広義の琉球・ベトナム,朝鮮半島の5つの部分地域として,環東シナ海,環日本海沿岸域の相互の交流,衝突,融合,分立などを広義の文化交渉の実体としてとらえる。それが表象された「かたち」である建築,集落,土地システム,技術体系,信仰や儀礼,食文化等を,地理学,民俗建築学,歴史学・民俗学の学際的研究組織で,総合的かつ複眼的に研究することをめざす。いずれも,双方向の交流の実体と,その立地や分布を規定する環境的な側面が歴史生態として明らかになった。今後はこの視点を適用した論集や地域誌の刊行をめざしたい。