著者
松川 康夫 鈴木 輝明
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.407-426, 1985
被引用文献数
15

渥美湾の窟栄養化の機構を解明するために塩分と各態チッソ, リンの濃度分布を毎月1回1年間にわたって観測し, 若干変形したボックスモデルを用いてそれらのバランスを調べた.陸からの供給は既往資料から算出した.計算で得られた湾の水理とこれらの栄養物質の循環や光合成, 分解, 沈降, 堆積の速度を観測や実験で得られたものと比較し, 考察した.この結果, このボックスモデルが内湾の水理と物質循環に関する概括的な理解を得るうえで有効であることが確認されると共に, 内湾の富栄養現象の出現にとって重要な要因は栄養物質の流入負荷の一般的増大だけでなく, 夏の直前の雨期における集中的負荷, 植物プランクトンの取込みに適した負荷のN: P比, 夏期における内湾の成層と海水の鉛直循環と結びついた栄養物質の半閉鎖循環の形成, および恐らくは好気的条件と嫌気的条件の中におけるりンの無機的回転であることが見出された.

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