著者
吉田 司 芝 修一 前川 行幸 阿部 真比古 鈴木 輝明 高倍 昭洋
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.239-244, 2006-02-20
被引用文献数
1

Zostera marina L. form dense populations on shallow sandy and muddy bottoms in inner bay areas, and play important roles from ecological and fisheries points of view. In this study, photosynthesis characteristics of Z. marina were examined under several light intensity and the water temperature conditions, and the daily net production was estimated. Samples were collected from Miya in Mikawa Bay, Aichi Prefecture, Japan. Photosynthesis and dark respiration rates were measured under various light intensity and in situ temperature condition using a product meter and oxygen electrode system. Z. marina showed high light-saturated net photosynthetic rates(1.5〜7.6mgO_2 gd.w.^<-1> h^<-1>). Dark respiratory rate of Z. marina was between 0.4 and S.SmgO_2 gd.w.^<-1> h^<-1>, I_k values and compensation points ranged from 88 to 129μmol m^<-2> s^<-1> and from 13 to 111 μmol m^<-2> s^<-1>, respectively. Daily net production of Z. marina was estimated from the model equation of photosynthesis-light curve and the data on light intensity sampled in Zostera bed. High dark respiratory rate and low light intensity in the population lead to low net production, and result in withering and loss during the early summer season.
著者
濱田 孝治 吉田 司 岡村 寛 原 武史 鈴木 輝明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_1129-I_1134, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
23

浮魚類群集(イワシ類)は内湾における主要な漁獲対象種であり,自然的,人為的な環境変動に伴う漁獲量の変動や漁場形成の変化は大きな関心事である.本研究では機械学習の一つであるGradient Boostingを用いて内湾の浮魚群集の分布量を推定する統計モデルを構築し,伊勢・三河湾のカタクチイワシ漁獲量の時空間的分布の推定を行った.モデルは標本漁船による実測結果をよく再現した.
著者
吉田 司 芝 修一 小山 義明 新井 義昭 鈴木 輝明
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.205-210, 2004-02-27
参考文献数
9
被引用文献数
2

Seasonal changes of Zostera marina L and physical environment factors (underwater irradiance, Sandybottom quality etc.) were examined off Miya in the Mikawa Bay, Aichi Prefecture, from 2000 to 2001 Japan.Z. marina forming seagrass beds grew densely from February to June, and declined from July to October.While a large number of juveniles geiminated from their seed started to appear toward the middle ofOctober, and Z. marina grew densely again in the following spring. Most of the Z. marina off Miya was annual.Vertical distribution range of Z. marina beds were from D.L. +0.5m to -1.6m depth. From the site irradianceconditions in the seagrass bed, the deepest bottom of Z. marina possible growth was estimated to beD.L.-1.8m. The high temperature in the summer was the important cause that the Z. marina beds weredecreased. Surface layer of the bottom was reductive conditions enough to germinate. These observationssuggest that Z. marina of annual plant requires calm environmental conditions as one of the required suitableconditions for successful seagrass bed formation.
著者
松川 康夫 鈴木 輝明
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.407-426, 1985
被引用文献数
15

渥美湾の窟栄養化の機構を解明するために塩分と各態チッソ, リンの濃度分布を毎月1回1年間にわたって観測し, 若干変形したボックスモデルを用いてそれらのバランスを調べた.陸からの供給は既往資料から算出した.計算で得られた湾の水理とこれらの栄養物質の循環や光合成, 分解, 沈降, 堆積の速度を観測や実験で得られたものと比較し, 考察した.この結果, このボックスモデルが内湾の水理と物質循環に関する概括的な理解を得るうえで有効であることが確認されると共に, 内湾の富栄養現象の出現にとって重要な要因は栄養物質の流入負荷の一般的増大だけでなく, 夏の直前の雨期における集中的負荷, 植物プランクトンの取込みに適した負荷のN: P比, 夏期における内湾の成層と海水の鉛直循環と結びついた栄養物質の半閉鎖循環の形成, および恐らくは好気的条件と嫌気的条件の中におけるりンの無機的回転であることが見出された.
著者
和久 光靖 橋口 晴穂 栗田 貴代 金子 健司 宮向 智興 青山 裕晃 向井 良吉 石田 基雄 鈴木 輝明
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-17, 2011-01-05
被引用文献数
4

顕著な貧酸素水の発生源となり周辺の浅場生態系に致命的な打撃を与えている, 埋め立て用土砂採取跡地(浚渫窪地)およびその周辺海域における酸素の消費過程を解明するため, 主たる酸素消費物質である粒子状物質の沈降フラックスを測定した。2007年6月から2007年7月の間に計4回, 浚渫窪地の内外の3測点において, 浚渫窪地上面(CDL-3.5m)と浚渫窪地海底(CDL-6.9, -6.4m)に相当する深度にセディメントトラップを設置した。懸濁態炭素の沈降フラックス(PC flux)は, 0.35〜15.3gm^<-2>d^<-1>と観測日により大きく変動し, 膨大なPC flux(9.48〜15.3gm^<-2>d^<-1>)が-6.9, -6.4m層で観測された。膨大なPC fluxの観測時には, 浚渫窪地周辺の浅海域において, 浚渫窪地から湧昇した貧酸素水に起因すると推察される底生生物の大量へい死と, そこから浚渫窪地内部への海水流入が認められた。観測されたPC fluxを上方からの沈降成分と, 水平輸送に由来する成分へ仕分けた結果, 膨大なPC fluxの観測時, 水平輸送成分は, 多いときには上方からの沈降成分の7〜11倍に相当した。これらのことから, 浚渫窪地周辺の浅海域での底生生物の大量へい死に伴い激増した粒子状物質が, 海水の流動によって浚渫窪地に輸送された結果, 膨大なPC fluxがもたらされたと考えられた。このように, 浚渫窪地は, 窪地内部の貧酸素水に起因する周辺浅海域の底生生物のへい死を招き, 浚渫窪地へ膨大な量の粒子状有機物の集積を引き起こし, 貧酸素化を加速すると示唆された。
著者
慶野 英生 杉山 清泉 西沢 正 鈴木 輝明
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-7, 2005-07-15
被引用文献数
4

1)冬季波浪によるアサリへの影響を検討するため、個体識別したアサリを用いて、砂上への露出頻度と潜砂行動、肥満度および体内グリコーゲン含量との関係について調べた。2)殻長25mm程度の大型アサリは、水温8℃以下の冬季に露出を受けると、露出頻度およびその累積回数に対応して潜砂行動に影響が現れ、その影響は回復せず、その後も持続する。3)冬季波浪により露出や砂中での上下移動を繰り返したアサリは、冬季の低いグリコーゲン含量がさらに低下し、潜砂不能となったり砂中から這い出す場合がある。4)冬季の露出により、砂上に這い出した個体のグリコーゲン含量は、約10mg/gと他の個体に比べて顕著に低かった。5)冬季の露出1回当たりの体内グリコーゲンの減少量は0.05mg/gと試算され、アサリが這い出しを起こす限界値を約10mg/gと仮定すると、這い出し個体が出現する限界累積露出回数は約50回であった。6)冬季波浪によるアサリの死亡過程には、波浪による露出や砂中での上下移動の繰り返しによって活力を低下させ、潜砂できなくなった結果、岸側などへ運ばれ、へい死するシナリオに加えて、同じく波浪による露出や砂中での上下移動の繰り返しによって衰弱し、砂中にいた個体が自ら砂上へ這い出すことにより、結果的に岸側などへ運ばれ、へい死するシナリオが想定される。
著者
鈴木 輝明 武田 聡 鈴木 稔 黒沢 悦朗
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.29, pp.576-583, 1987-07-25

In our continuing work on the neutral extract of Laurencia obtusa (magiresozo in Japanese), which exhibited the remarkably cytotoxic properties, we previously reported the isolation and structure determination of strongly active squalene-derived polyethers. Further investigation of this extract has led to the isolation of five cytotoxic diterpenes (1)-(5), which are structurally related to parguerol or isoparguerol, along with inactive sesquiterpenes (6)-(9). The structures of these compounds were characterized by chemical and spectral methods.