- 著者
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鈴木 亜美
梅澤 秋久
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.259_1, 2017
<p> 本研究では、大学生に実施した回顧的アンケートで得られた知見を基に、伊藤ら(2001)が抽出した6つの学習動機因子のうち「充実志向」と「集団志向」を高める体育授業の在り方を検討した。「充実志向」とは、運動そのものに動機づけられている因子であり、「集団志向」とは、仲間に動機づけられている因子である。そこで、「自己」、「他者」、「モノ」の全体的な関係性によって、「文化の中心的な面白さ」を探究していく授業を構想し、実践を行った。対象はA国立大学附属B小学校第2学年の児童70名であり、2学級においてボールゲームを全6時間実施した。VTRで撮影した映像から描いたエピソード記述、毎授業後に実施した形成的授業評価と自由記述、参観者からのコメントを踏まえながらアクション・リサーチを行うことで理想とする実践の実現を目指し単元を進めた。その結果、①「運動の機能的特性」に触れる時間の確保、②教師や児童同士による良い動きの紹介・価値づけ、③ペアチームの設定等、児童が関わり合う必然性の確保、④ゲームの直前直後の作戦タイムの4つが「充実志向」「集団志向」を高めるために有効である可能性が示唆された。</p>