著者
中島 直人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.29, 2008

高山英華は「都市計画学のパイオニア」の一人である。しかし、高山の学術的な業績はこれまでに明確な評価を受けてこなかった。そこで、本稿では、高山の主要な学術的貢献とされ、高山自身が「私が戦前から考えておりましたものを体系したもの」と位置づけていた「都市計画の方法について」に着目し、その形成過程、すなわち高山の戦前からの都市計画の学術的探究の軌跡を明らかにすることを目的とした。その結果、高山は当初は住宅地計画の研究、特に標準住宅から近隣住区までの幅の広さで研究を展開し、その後、戦時中の東京改造計画の立案において、人口密度計画、土地利用計画という手法を発展させ、戦後は大都市構成の研究を続行し、「密度」、「配置」、「動き」の3つの構成、分析手段などを提示するに到った。そうした探究の集成が「都市計画の方法について」であり、ここに都市計画学の一つの原点を見出した。

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